テレク川(読み)てれくがわ(その他表記)Терек/Terek

日本大百科全書(ニッポニカ) 「テレク川」の意味・わかりやすい解説

テレク川
てれくがわ
Терек/Terek

ロシア連邦南西部の北カフカスを東流してカスピ海に注ぐ川。流長623キロメートル、流域面積4万3200平方キロメートル。カフカス山脈のジリガホフ山の氷河に源を発して、北流したのち東に転じ、下流部でスンジャ川をあわせ、河口には広大なデルタを形成する。上流部では発電に利用され、下流域ではテルスコ・クムスキー運河などによりステップ地帯の灌漑(かんがい)に広く利用される。流域にナリチクウラジカフカスグローズヌイなどの都市がある。

[須長博明]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「テレク川」の意味・わかりやすい解説

テレク川
テレクがわ
reka Terek

ロシア南西部,北カフカスを流れる川。全長 623km。流域面積4万 3200km2。大カフカス山脈中部北斜面,ジリガホフ山の氷河に源を発し,ボコボイ山脈を横切ってダリヤリ峡谷をつくり,山地,山麓を北流,北西流する。その後平野に出て東に流れを変え,カスピ海沿岸低地を流れてカスピ海西岸に注ぐ。河口には三角州 (総面積 4000km2) が発達。灌漑用水に利用され,モズドク上流のテレク川左岸から北のクマ川と結ぶテレク=クマ運河が始る。上流の山地峡谷には水力発電所が建設されている。魚類が豊富。沿岸主要都市は北オセチヤ共和国のウラジカフカスやモズドク,ダゲスタン共和国のキズリャル。ジョージアグルジア)にいたる道路の一部がテレク川河谷に沿って通っている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android