ディアテッサロン(その他表記)Diatessaron

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ディアテッサロン」の意味・わかりやすい解説

ディアテッサロン
Diatessaron

タチアノスによって編集された最古4福音書の合体通読書。エウセビオスによれば 170年頃のものとされている。東方シリア教会では早くから用いられており,4世紀初め福音書が分離されるまで福音書の標準的なテキストとされていた。初めはギリシア語であったが,現在残っているのは,アルメニア語シリア語アラビア語ラテン語などによる全部または一部翻訳である。

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世界大百科事典(旧版)内のディアテッサロンの言及

【タティアノス】より

…ギリシア語による主著《ギリシア人への言葉》はギリシア文明を攻撃し,キリスト教の古さと純粋さを弁護したもの。また2世紀中葉に編集したシリア語による《ディアテッサロン》は新約の四福音書を一つの物語にまとめたもので,5世紀までシリアでひろく用いられた。のち172年ころ教会を去り,東方でエンクラディス派教団を創立し,グノーシス主義的傾向と極端な禁欲主義のため異端とされた。…

※「ディアテッサロン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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