改訂新版 世界大百科事典 「ディカペタルム」の意味・わかりやすい解説
ディカペタルム
Dichapetalum
ディカペタルム科に所属する熱帯に分布する木本で,ときにはややつる性になる。花序が葉に合生する性質を有する種が多い。この属のアフリカ産の種には有毒なものがある。ディカペタルム・トキシカリウムD.toxicarium Englerをはじめ数種が有毒といわれているが,それらは葉がとくに有毒で,果実はそれほどではなく,果肉の部分が食用にされる。またジャワ産のディカペタルム・ティモリーエンセD.timoriense Englerはつる性の木本で,樹皮から繊維が採取され,若葉は煮て食用にされ,果実は魚とともに調理するのに使われる。
ディカペタルム科Dichapetalaceaeは,5属200種ほどが熱帯域に分布していて,トウダイグサ科やヒメハギ科に類縁があるとされる特異な科である。
執筆者:堀田 満
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報