日本大百科全書(ニッポニカ) 「ディニ」の意味・わかりやすい解説
ディニ
でぃに
Nh. Dini
(1936―2018)
インドネシアの代表的女性作家。東部ジャワのスマラン出身。本名ヌルハヤティ・スリハルディニNurhayati Srihardini。スチュワーデスを経て、フランス外交官と結婚しパリに移住。離婚して帰国後は故郷のスマラン在住。高校在学中からラジオドラマの脚本、さらに短編小説を書き始める。その後長編自伝小説を次々と発表。現代インドネシア文学界の新星とうたわれた。執筆活動のかたわら、自宅での子ども文庫(Pondok Baca)活動にも携わっていた。代表作は短編集『二つの世界』Dua Dunia(1956)、長編小説『私の名はひろ子』Namaku Hiroko(1977)、『船上で』Pada Sebuah Kapal(1973)、『日本 ひろ子の国』Jepun Negerinya Hiroko(2000)などがある。
[佐々木信子]
『ディニ著、舟知恵訳『エリサ出発』(1984・段々社)』