デカポリス(その他表記)Dekapolis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「デカポリス」の意味・わかりやすい解説

デカポリス
Dekapolis

ギリシア語で「10の都市」を意味し,パレスチナのヨルダン川東部にあったギリシア都市の連合をいう。アレクサンドロス3世 (大王) の死後,後継者 (ディアドコイ ) たちは彼にならって近東に多くの都市を建設したが,デカポリスの一部はその頃にさかのぼる。しかし連合体の結成は,前 63年のローマの将軍ポンペイウス (大ポンペイウス) によるパレスチナ征服の際に行われたのであろう。その目的はローマ帝国の辺境地帯における防衛であった。それぞれの都市は独自の議会をもち,貨幣の鋳造権,裁判権などをもっていた。 75年頃のプリニウス (大)によれば,これらの 10都市は,スキトポリス,ヒッポス,ガダラ,ペラ,フィラデルフィアゲラサディオン,カナタ,ダマスカス,ラファナであったとされている。連合は宗教的儀式で結ばれていた。ヘロデ朝時代,アラビア属州時代を経て,2世紀頃まで続いた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

関連語 プリニウス

1 食肉目クマ科の哺乳類の総称。全般に大形で、がっしりした体格をし、足の裏をかかとまで地面につけて歩く。ヨーロッパ・アジア・北アメリカおよび南アメリカ北部に分布し、ホッキョクグマ・マレーグマなど7種が...

熊の用語解説を読む