日本大百科全書(ニッポニカ) 「デマゴゴス」の意味・わかりやすい解説 デマゴゴスでまごごすdemagogos ギリシア語 市民・民衆(デーモス)の指導者を意味する古代ギリシア語。直接民主政のもとでは、民会に集まる多数の民衆が国政を決定したが、往々にして個人的野心の実現のために民衆に取り入って扇動的な弁論を行う政治家が出現しがちであり、とくにこうした政治家をさして用いられた。ペリクレスの死後、アテネの民会を牛耳(ぎゅうじ)って民主政治を衆愚政治に堕落させたと非難されているクレオン、クレオフォンKleophonらが有名。なお、デマゴゴスは、デマ(デマゴギー)の語源である。[前沢伸行]『C・モセ著、福島保夫訳『ギリシアの政治思想』(白水社・文庫クセジュ)』 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例