ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クレオン」の意味・わかりやすい解説
クレオン
Kreōn
クレオン
Kleōn
[没]前422. アンフィポリス
古代ギリシア,アテネの政治家。富裕な皮なめし業者の子として生れ,ペリクレスの死後,アテネ政界を牛耳ったデマゴーゴス (→デマゴーグ ) の一典型。前 427年アテネに離反して鎮圧されたミュチレネ市民全員の処刑を提案し,賛成を得たが,この決定は翌日くつがえされた。翌年には,『バビロニア人』を発表して自分を攻撃したアリストファネスを告訴している。前 425年ピュロスでの勝利後,スパルタ側から申入れられた和平の提案を拒否,将軍の無能を批判して,みずからスファクテリアにおもむき,デモステネスの助けを得て大勝利を収めた。デロス同盟諸市の寄金額の引上げ,陪審員手当の増加など,この時期の財政関係の諸政策にあずかって力があったが,前 422年将軍としてトラキア地方に転戦し,スパルタの勇将ブラシダスに敗れて,戦死した。
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