トゥールーン朝美術(読み)トゥールーンちょうびじゅつ(その他表記)Tulunid art

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トゥールーン朝美術」の意味・わかりやすい解説

トゥールーン朝美術
トゥールーンちょうびじゅつ
Tulunid art

9世紀後半,エジプトのカタイを中心として発展したトゥールーン朝イスラム美術メソポタミアのアッバース朝様式(→アッバース朝美術)を移植しながら,これを伝統的なエジプト文化のほかコプト派キリスト教文化とも融合させ,以後のエジプト系イスラム美術の基礎となった。イブン・トゥールーン・モスクは代表的遺構で,装飾などにメソポタミア,ことにサーマッラーの影響が強い。アッバース朝以来の技法に基づいたラスター陶器には,アラベスクのほかに古来エジプトで愛用された水鳥や動物の文様が自由に用いられた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android