日本大百科全書(ニッポニカ) 「トカドヘチマ」の意味・わかりやすい解説
トカドヘチマ
とかどへちま / 十角糸瓜
[学] Luffa acutangula Roxb.
ウリ科(APG分類:ウリ科)の一年生つる草。ヘチマの近縁種。熱帯アジア原産。茎は3メートル以上になり、巻きひげで他物に絡みつく。葉の切れ込みは浅い。雌雄異花。6~9月に花を開き、花弁は5枚で、淡黄色。花は夕方から開花して翌日にはしぼむ。果実は長さ10~40センチメートル、直径8~10センチメートル。表面に10本の縦の稜(りょう)があり、横断面が十角になるのでトカドヘチマの名がある。熱帯アジア、中国南部などで栽培が多く、若い果実を煮物、油炒(いた)め、汁の実などにし、インド、スリランカなどではカレー料理に入れる。日本には昭和初期に伝来したが、気候的にも不適でほとんど栽培利用されていないが、沖縄県などでは栽培されている。
[星川清親 2020年2月17日]