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煮物 にもの

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

煮物
にもの

食品を水または出し汁調味料とともに加熱する料理で,代表的日本料理の一つ。調味料がよほど濃厚でないかぎり,加熱温度は 100℃である。加熱時間は食品の質と大きさによって異なる。塩分材料の 1.5~2%で,甘味は好みにより,または材料により変える。材料に煮汁をすっかりしみこませる煮しめけの多い煮つけ,甘味をきかせたうま煮,味つけした煮汁で煮たのち,その汁の中にそのまま数時間漬けておく含め煮など,種々の煮方がある。また塩や醤油の代りに味噌を用いる味噌煮デンプンを用いて調味料を材料にまといつかせる吉野煮,塩味と同時に甘酸味をつけるアチャラ煮などもあるが,いずれも塩分は 1.5~2%程度である。

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デジタル大辞泉の解説

に‐もの【煮物】

材料に調味した汁を加えて煮ること。また、煮たもの。

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典の解説

にもの【煮物】

材料を調味した汁で煮た料理。一般的に、煮汁にしょうゆと砂糖を用いたものをいうことが多い。◇関西で、また懐石で、椀盛りをいうことがある。

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大辞林 第三版の解説

にもの【煮物】

食物を調味して煮ること。また、そうした料理の総称。関西では炊き合わせ、関東ではうま煮を主にさして呼ぶ。懐石料理では煮物椀(魚・鳥・野菜を煮て、だし汁・山葵わさび・山椒さんしよう・味噌などをかけたもの)をさす。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

煮物
にもの

調理法の一種。材料を汁の中で加熱する料理。汁は調味したもの、または調理する過程でできる煮汁に味を加えたものがある。煮物は一度に大量の料理ができること、また長時間煮ると固い肉類や骨付きの小魚などが柔らかくなることなどの利点があるが、一方、栄養素などが破壊されたり、材料のうま味が煮汁の中に溶け出してしまう欠点もある。正式の日本料理では献立の終わり近くに出され、締めくくりとして重要な役割をもつ。
 煮物には種類が多くあり、材料によって多少異なるが、次のように大別される。(1)煮汁を少なくして煮る煮つけ、照り煮、時雨(しぐれ)煮、佃煮(つくだに)など、(2)煮汁がよくしみて照りの出ない煮しめ(旨煮(うまに))類、(3)薄味の汁の中で煮る含め煮、(4)たっぷりの汁で煮込み、汁ごと食べる沢煮、煮込みなど、(5)揚げる、焼くなどの下調理をしてから煮る揚げ煮、煮びたしなどがある。煮びたしはアユを用いることが多く、材料を焼いてから一度煮たものを冷やしておき、さらに煮直して花がつおをかけたものをいうが、単に二度煮をしたものにいうこともある。
 このほか特殊な煮物も各種ある。ニワトリの博多(はかた)水炊(た)きは、骨付きのぶつ切り肉を、味つけをしないで水から強火でぐらぐら煮るものをいう。中国ではヒツジの背骨、内臓などの水煮を羊(ヤンカオ)といい、栄養食として用いる。福良(ふくら)煮は、アワビ、トコブシを殻から出して煮て、それをふたたび殻に戻して盛り付けるもの、おろし煮は、煮魚などの上に大根おろしを加えて煮るもの、吉野煮は、葛(くず)粉をつけて煮るもの、じぶ煮は、小麦粉またはかたくり粉をまぶして煮るものをいう。またみそを加えるみそ煮、酢を加える酢煮など、材料によって調味料を使い分ける多様な種類の煮物がある。
 煮汁のうま味を材料にしみ込ませる方法をとる煮物に、フランス料理のビーフ・ア・ラ・モードbuf la modeがある。これは、牛肉のイチボという部位(臀部(でんぶ))を調味したソースの中で煮て、沸騰点に達すると肉の中の水分が水蒸気となって脱出し、調味した煮汁が入れ替わって肉に入るという独特の煮方をするものである。中国料理では煮物は複雑な行程をとるものもあるが、煮物の意には、焼(シャオ)(ウェイ)(メン)、熬(アオ)、滷(ルー)などの文字を用いている。[多田鉄之助]

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