イヌやネコなどに寄生する回虫(トキソカラ属)の虫卵や幼虫をヒトが誤って飲み込むことで感染し、全身のとくに肝臓や目に移行して人体にさまざまな症状を引き起こす感染症。イヌ・ネコ回虫症ともいう。幼虫が身体各所に移行して病変をもたらす幼虫移行症の一種で、このうち内臓に移行するものは内臓幼虫移行症とよばれる。体内に入って数週間してから発症し、発熱や発疹(ほっしん)などの症状のほか、肝臓に移行した肝トキソカラ症では、肝肥大や著明な好酸球増多を生じるほか、肺に炎症を伴う病変(肺トキソカラ症)がみられることもある。目に移行した眼トキソカラ症(眼幼虫移行症)では、ブドウ膜や網脈絡膜に炎症を伴い、視力低下のほか失明の危険を生じることがある。ほかに中枢神経系に感染する場合もある。感染したイヌやネコとの接触や、動物の糞便(ふんべん)で汚染された砂をいじることなどから、幼児が経口感染することが多いが、若年成人に感染する例もある。虫卵は腸内で孵化(ふか)して幼虫となるが、幼虫がヒトの体内で成虫となることはない。
[編集部 2016年12月12日]
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