最新 地学事典 「トロイダルマントル流」の解説
トロイダルマントルりゅう
トロイダルマントル流
toroidal mantle flow
マントル対流における,鉛直な回転軸をもつ流れの成分(渦成分)の総称。マントル対流とその表層運動であるプレート運動に代表される固体地球内部と表層の変動現象は,鉛直方向の重力により駆動され,上下方向の流れとそれらをつなぐ水平方向の流れからなる。実際の地球のマントル対流あるいはプレート運動では,それぞれ硬い部分と柔らかい部分が存在する。この場合,水平方向の流れにおいて,鉛直な回転軸をもつ渦成分が生じる。例えば,プレート同士のすれ違い運動成分,海溝に対して(水平方向に)斜めに収束する運動成分,プレートの重心周りの回転運動成分などが渦成分に対応する。一方,ある深さにおける水平面内での粘性が一定である場合は渦なし流れとなる。渦なし流れの成分をポロイダルマントル流(poloidal mantle flow)と呼ぶ。実際のマントル対流は両者が合成された流れである。
執筆者:岩森 光
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

