流状組織(読み)りゅうじょうそしき

岩石学辞典 「流状組織」の解説

流状組織

flow texture or structure: 火成岩の組織で,マグマが移動する際に形成されたもの.結晶がほぼ平行に近い配列を示す組織である[Johannsen : 1931].浅い貫入岩や熔岩の石基にしばしば認められる.この組織には類似した名称が多く,例えばfluidal texture[Vogelsang : 1867],fluctuation texture[Zirkel : 1867],毛氈状組織(pilotaxitic),rhyotaxitic, texture[Lossen : 1883],fluxion texture[Hatch : 1888]などは流状組織と同様に使われる.普通にはflow structureもflow textureも同様に使用されるが,まれにflow structureは堆積岩の構造として球─枕状構造(ball-and pillow structure)の意味で使われることがある[Cooper : 1943].ときに粗面岩状(trachitic)組織あるいは準粗面岩状(trachitoid)組織と同意義に使用されるがこれらは成因的な意味を含むので避けるべきである[MacKenzie, et al. : 1982].
flowage texture: 岩石応力を受け,弾性限界を超えて変形するときに使用される語で,塑性変形粒状化劈開面の滑り変形,再結晶などが起こる[Van Hise : 1904, Barrell : 1915].
fluxion texture: →流動組織

出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の流状組織の言及

【流理構造】より

…噴出前後の流動時に,粘性の高いマグマは均質にならずに,引きのばされたり押し縮められた構造が縞として残る。このような岩石を顕微鏡下で観察したときは結晶がほぼ平行に並んでいるようにみえることがあり,これを流状組織fluidal textureという。【宇井 忠英】。…

※「流状組織」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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