日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ドデシルベンゼンスルホン酸塩
どでしるべんぜんするほんさんえん
dodecylbenzenesulfonate
代表的な合成洗剤の主成分である。水溶液中で解離して、陰イオンであるドデシルベンゼンスルホン酸イオンと、陽イオンであるナトリウムイオンになる。前者は優れた界面活性を現し、合成洗剤以外にも産業や日常生活で広く用いられている。ドデシル基の製造方法の相違により、ABSとLAS(ラス)の2種類がある。ABSは、プロピレンの四量体をベンゼンに付加させて合成したテトラプロピレンベンゼンをスルホン化したものである。ABSは下水や河川水中で微生物によって分解されにくいのでハード型と名づけられている。日本では1965年(昭和40)ごろまで製造されていたが、現在では分解されやすいソフト型のLASに転換された。
[早野茂夫]
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