プロピレン(読み)ぷろぴれん(英語表記)propylene

翻訳|propylene

日本大百科全書(ニッポニカ) 「プロピレン」の意味・わかりやすい解説

プロピレン
ぷろぴれん
propylene

炭素数3個の不飽和炭化水素アルケン一種)。プロペンpropeneともいう。合成化学工業ではエチレンとともに重要な化合物である。日本では年間約550万トン生産されている。天然ガス石油精製排ガスナフサ軽油の熱分解によりエチレンとともに得られる。エチレンと同様に、重合、酸化などの反応を受け、反応活性はエチレンよりも大きい。

 常温では弱い刺激臭の引火性気体ポリプロピレン合成繊維合成樹脂)をはじめ多くの物質の合成原料として利用される。

[徳丸克己]


プロピレン(データノート)
ぷろぴれんでーたのーと

プロピレン
  CH3CH=CH2
 分子式  C3H6
 分子量  42.1
 融点   -185.25℃
 沸点   -47.0℃
 密度   1.5526(測定温度15.6℃,
       1気圧,空気に対して)
 引火点  -107.8℃
 発熱量  492.0kcal/mol
 爆発範囲 2.4~10.3容量%

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「プロピレン」の意味・わかりやすい解説

プロピレン
propylene

(1) プロパンから水素原子2個を除いた2価の原子団 -C3H6- 。遊離状態では存在しない。 (2) エチレン系炭化水素の一つ。化学式 C3H6 。プロペンともいう。弱い刺激性の特臭をもつ無色の気体。沸点-47.70℃。石油分解ガスから低温分留するか,プロパンの脱水素によって工業的に多量に生産される。液化石油ガスとして燃料,重合ガソリン製造原料となる。また石油化学製品,たとえばイソプロピルアルコール,アセトン,プロピレングリコール,アリルアルコール,グリセリン,アクロレイン,アクリロニトリル,フェノール,ポリプロピレンなどの原料となる。

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