コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

合成洗剤 ごうせいせんざい synthetic detergent

7件 の用語解説(合成洗剤の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

合成洗剤
ごうせいせんざい
synthetic detergent

ソープレスソープともいい,石鹸以外の界面活性剤で洗浄の目的に使われるもの。第2次世界大戦後,アメリカ石油化学工業が勃興するとともにアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム ABS主成分とする合成洗剤が異常な速度で発展,合成繊維合成樹脂とともに戦後の最大成長化学品といわれた。

本文は出典元の記述の一部を掲載しています。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉の解説

ごうせい‐せんざい〔ガフセイ‐〕【合成洗剤】

化学合成された表面活性剤を主体とする、石鹸(せっけん)以外の洗浄剤。高級アルコール硫酸エステル系と直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩系とに大別される。

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

百科事典マイペディアの解説

合成洗剤【ごうせいせんざい】

セッケンは天然油脂を原料とするが,石油などの油脂以外の原料を用いて合成される洗剤を合成洗剤という。硬水でも不溶性沈殿を生成せず,溶解性が大で,洗浄力がすぐれ,繊維をいためない利点があり,セッケンに代わって広く用いられるようになった。
→関連項目花王[株]化学工業洗剤洗濯洗濯セッケン(石鹸)

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. ご提供する『百科事典マイペディア』は2010年5月に編集・制作したものです

栄養・生化学辞典の解説

合成洗剤

 セッケン以外の化学的に合成された界面活性剤,洗剤.

出典|朝倉書店
Copyright (C) 2009 Asakura Publishing Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版の解説

ごうせいせんざい【合成洗剤 synthetic detergent】

合成洗浄剤ともいう。洗剤とはおもに繊維等の固体の表面に付着した異物や汚れを除去するために使用される薬剤で,とくに湿潤,浸透,乳化,分散,可溶化等の界面活性の複合作用としての洗浄力によって,その汚れを系外に取り去る作用をするものである。洗剤としては,一般に脂肪酸セッケンが古くから主要な役割を果たしてきたが,合成洗剤とは石油化学等の工業原料を用いて合成された,同様の機能をもつ一群の物質群である。合成洗剤は上述のように,その界面活性機能を利用したものであるから,当然界面活性剤の主要な一群である。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

大辞林 第三版の解説

ごうせいせんざい【合成洗剤】

石油化学的方法などにより合成された洗剤。エービーエス洗剤・ラス洗剤など。溶液が中性なので中性洗剤ともいう。ソープレス-ソープ。

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

合成洗剤
ごうせいせんざい
synthetic detergent

工業的に化学合成された界面活性剤を用いた洗剤の総称。動植物油脂の脂肪酸アルカリ塩であるせっけんに対し、合成界面活性剤が主要成分であるが、洗剤としての作用を高めるために配合されるビルダー(洗浄促進剤)、酵素、香料、蛍光増白剤などを含めた意味で使われる。また漂白剤や溶剤、殺菌剤が配合されている場合もある。合成洗剤の生産量のうち3分の2以上が衣料用洗剤として用いられるが、そのほかに台所用、住居用、毛髪用、消毒・殺菌用などにも用いられ、それぞれ異なった成分が使用される。合成洗剤の分類法には、アルカリ性、中性など水に溶かしたときの水素イオン濃度(pH)による分類、陰イオン系、陽イオン系、両性イオン系、非イオン系のように界面活性剤の水溶液中でのイオン性による分類、ヘビーデューティー洗剤(重質洗剤)、ライトデューティー洗剤(軽質洗剤)のように用途に応じた洗浄力の強さによる分類、粒(粉末)状、液体、タブレット(錠剤)など洗剤の形状による分類などがある。[篠塚則子・永山升三]

製法

合成洗剤用としてもっとも一般的な陰イオン活性剤LAS(ラス)(linear alkylbenzene sulfonate直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩)は、n-パラフィンまたはn-α-オレフィンを、触媒の存在下、ベンゼンと縮合させて直鎖アルキルベンゼンとし、これをスルホン化後、水酸化ナトリウムで中和してナトリウム塩とする。また、その主成分の化学構造から、ドデシルベンゼンスルホン酸塩ともよばれる。スルホン化剤には三酸化硫黄(いおう)、発煙硫酸、クロロスルホン酸などが用いられるが、ほとんど三酸化硫黄が用いられている。n-α-オレフィンや脂肪酸メチルエステル、高級アルコールなども三酸化硫黄によって、それぞれα-オレフィンスルホン酸(AOS)、α-スルホ脂肪酸メチル(SFE)、高級アルコール硫酸エステル(硫酸アルキル、AS)となり、同様に水酸化ナトリウムで中和して塩として合成洗剤用陰イオン活性剤になる。典型的な非イオン活性剤は、高級アルコールまたはアルキルフェノールに触媒を用いて酸化エチレンを反応させて製造される。アルキルフェノールは、弱いながら内分泌攪乱(かくらん)物質としての作用がありその用途が制限されているので、高級アルコールを原料とするアルキルポリオキシエチレンエーテル(AE)が主流である。
 家庭用合成洗剤の主流は、粒状のもので、陰イオン活性剤がおもに用いられる。少量の非イオン活性剤が配合されることもあるが、これらにアルミノケイ酸塩(天然の沸石と同一成分、ゼオライトとよばれる)、ケイ酸塩、炭酸塩などをビルダーとして加え、乾燥、混練、粉砕、造粒の工程を経て製造される。以前は噴霧乾燥法により中空粒状のものが用いられていたが、かさ比重を大きくしたコンパクト洗剤が主流になっている。[篠塚則子・永山升三]

歴史

洗剤は紀元前2500年ごろのメソポタミア文明の時代にせっけんが発明されたのが始まりとされる。近世では化学工業の黎明(れいめい)期である19世紀にソーダ産業の進展とともに普及し、今日まで使用されている長い歴史をもつが、硬水中で不溶化したり、希薄水溶液中で酸性せっけんとなって洗浄後のすすぎが困難になったりするなどの欠点がある。合成洗剤は、第一次世界大戦中ドイツで食用油脂の欠乏からせっけんの製造ができなくなり、代用品としてブチルナフタレンスルホン酸塩を使用したのが最初とされている。その後1928年ドイツのベーメ社が高級アルコール硫酸エステル(AS)塩を工業化し、1933年にはアメリカのプロクター・アンド・ギャンブル社が「ドレフト」という家庭用合成洗剤を初めて市販した。日本では37年(昭和12)羊毛および絹用中性洗剤として市販されている。1933年にドイツで発明されたアルキルベンゼンスルホン酸塩は、42年アメリカで合成ガソリン製造の副成物のプロピレンテトラマーを原料としてABSが開発された。第二次世界大戦中欧米諸国では洗剤原料のやし油が不足して、合成洗剤が脚光を浴びるようになった。戦後アメリカは、その豊富な石油資源を利用してABSの大量生産に着手し、ABS洗剤が家庭用洗剤の主流となった。アメリカでは1953年に合成洗剤の使用量がせっけんを上回り、日本では63年に合成洗剤がせっけんを上回った。非イオン活性剤であるアルキルポリオキシエチレンエーテル(AE)は1930年に開発され、それを硫酸エステル塩とした硫酸アルキルポリオキシエチレン塩(AES)も陰イオン活性剤として38年に開発された。そのほか比較的よく用いられる二級アルカンスルホン酸塩(SAS)はn-パラフィンと二酸化硫黄と塩素または酸素との反応により製造する方法が33年に開発されている。前出のAOSやSFEの合成法は、三酸化硫黄の取扱いなどの困難な技術を克服する必要があったため開発が遅れ、67年以降に洗剤の生分解性(ソフト化)の進展に伴って完成した。[篠塚則子・永山升三]

洗剤の種類

(1)衣料用ヘビーデューティー洗剤 合成洗剤がもっとも大量に使われるのは、木綿、合成繊維などの肌着、日常着、作業服などの汚れを洗濯するためで、このような用途のヘビーデューティー洗剤は一般に水溶液が弱アルカリ性となるようにして汚れを落としやすくしてある。したがって洗剤には界面活性剤のほかに、ビルダー、再汚染防止剤、制泡剤、蛍光増白剤、酵素、粒状化安定剤、香料などの成分が配合されている。洗浄と同時に漂白する目的で漂白剤が配合されていることもある。界面活性剤としては陰イオン、非イオン活性剤が用いられる。LASはアルカリ性下でも安定で、ほかの多くのビルダーや活性剤と混用でき、水溶性も良いので広く用いられる。ほかにAOS、SFE、AS、AESや非イオン活性剤のAEも配合される。ビルダーは界面活性剤の作用を助け、洗浄力を向上させるために添加され、硬水成分のカルシウムを除去するためにアルミノケイ酸塩が配合される。少量だがアクリル酸マレイン酸コポリマーも同じ目的で併用され、これは形状安定化作用もある。また硬水の作用を軽減するとともにpHをアルカリ性に保ち洗浄の条件を整える作用があるケイ酸塩、炭酸塩も用いられる。従来、縮合リン酸塩が同じ目的で使用されてきたが、リンによる河川湖沼・内湾の富栄養化防止のために使用が制限され、国内ではまったく配合されなくなった(後述)。界面活性剤もLASの一部を耐硬水性がより優れたAOS、SFE、AES、AEに置き換えて使用されるようになっている。再汚染防止剤としてはカルボキシメチルセルロースが、制泡剤としてはせっけんが、蛍光増白剤としてはセルロースに対して直接染着性のあるスチルベン誘導体が少量配合される。酵素は汚垢(おこう)成分の分解により洗浄効果を補助するため、タンパク分解酵素や油脂分解酵素が用いられる。
(2)衣料用ライトデューティー洗剤 羊毛、絹などの動物性繊維製品や繊細な糸・織構造をした衣料の洗浄は、pHが中性付近の穏和な条件で、洗濯機の機械力を避け、手洗いするのが好ましい。この用途のために開発された洗剤では、LAS、AESのような陰イオン活性剤、AEのような非イオン活性剤が主成分である。ビルダー類や蛍光増白剤を配合することはまれで、軽い汚れの洗浄に適し、香料などが添加されている。
(3)シャンプー剤 毛髪と頭皮の洗浄を目的としたシャンプーでは、適度の洗浄性、起泡性と毛髪の風合い(触感)を保つことと、目や皮膚への刺激性がないことが必要で、界面活性剤の選択に工夫がされている。また香粧品として調香にも配慮される。シャンプー用界面活性剤としては陰イオン活性剤のAESと非イオン活性剤の脂肪酸ジエタノールアミドが一般的に用いられるほか、アシルアミノ酸塩(アミノ酸と脂肪酸の縮合物)や両性活性剤などとくに刺激性の少ないものが使用されている。ふけを抑えるために硫化セレン、ZPT(zinc 2-pyridinethiol-N-oxide)やピロクトン・オラミンなどの薬効成分が配合されたものもある。香料、色素のほかコンディショニング剤として陽イオン変性セルロース、ラノリン誘導体、コラーゲン誘導体が配合される。透明な液状を保つため微量の有機キレート剤(エチレンジアミンテトラアセテート)も用いられる。
(4)住居用洗剤 住居専用の洗剤には、界面活性剤の作用によって汚れを除去する万能型洗剤と、浴室用、トイレット用、ガラス用、家具用などの専用洗剤がある。万能型は界面活性剤としてLASや非イオン活性剤を数%含有し、ビルダーを加えて弱アルカリ性にしてある。トイレット用には次亜塩素酸ナトリウムを含む強アルカリのものや、強酸性の塩酸を含む化学作用を主効果としたものもあり取扱いに注意を必要とする。
(5)台所用洗剤 食器、調理用具、野菜などの汚れ落としに用いられる洗剤には、LAS、AES、SASなどの陰イオン活性剤とAEや脂肪酸ジエタノールアミドなどの非イオン活性剤、N-アルキルベタインなどの両性活性剤が用いられる。台所用洗剤として液状で使いやすくするために、エタノール(エチルアルコール)、尿素、トルエンスルホン酸塩などを添加して、安定な濃厚溶液としている。添加剤としてはこのほかに、ポリ酢酸ビニルエマルションなどの乳濁剤、手荒れ防止剤のほか、食品添加用の香料、着色剤などを加える。
(6)逆性せっけん 陽イオン活性剤は一般的な洗浄力はないが、消毒用として有効である。このため、病院などでの手術や病室の衛生管理に使用される。陰イオン活性剤に対してイオンが逆であるため、このような名称でよばれる。
(7)工業用洗剤 洗剤を業務用に用いるおもな工業は、繊維工業、紙パルプ工業、食品工業などで、そのほか金属表面や車両洗浄などそれぞれの用途に適した配合をしたものがある。工業用洗剤には、鉱物油による汚れをよく落とし、低泡性で耐硬水性に優れた非イオン活性剤がよく用いられる。[篠塚則子・永山升三]

合成洗剤と環境問題

せっけんがABS洗剤を主とする合成洗剤に置き換わり、その後使用量が急速に伸びた結果、排水として放流された河川や下水処理場で発泡して水質汚濁問題が起きるようになった。これはABS洗剤の生分解性が悪いことによる。そこでイギリスやドイツでは、1965年ごろまでにはABSにかわって生分解性の比較的よいLASが合成洗剤の主流となった。生分解性のよい界面活性剤を用いた洗剤をソフト洗剤というが、アメリカでもヨーロッパとほぼ同時期にソフト化が進められた。
 欧米に比較してせっけんから合成洗剤への転換が遅れた日本でも、1968年(昭和43)には生分解度80%以上を目標に、72年にはLASやAS、AOSを用いて97.5%を達成した。合成洗剤の生分解性の悪さに基づく水質汚濁の問題は、主要成分のソフト化が行われて一段落したが、ついで湖や内海の富栄養化が環境問題としてクローズアップされ、その一原因として合成洗剤に配合されているリン酸塩が取り上げられた。富栄養化とは、地表水がリン、窒素などの水生生物の栄養素を多く含むようになり、その結果、湖などの生物生産が増加することで、たとえば赤潮の発生、藻類の大量発生などの原因がこの富栄養化と考えられている。
 とくに琵琶(びわ)湖南部の富栄養化現象は著しく、1979年(昭和54)滋賀県は「滋賀県琵琶湖の富栄養化の防止に関する条例」を公布し、リンを含む合成洗剤の使用と販売を禁止した。環境中に存在するリンのうち、合成洗剤由来のリンは1~2割程度と推定されるが、80年には環境庁(現環境省)が「富栄養化防止に関する総合対策」を発表し、これを契機に日本では合成洗剤の無リン化が進行し、トリポリリン酸塩のかわりに、ゼオライトを用いた洗剤が普及して、家庭用合成洗剤は無リン化された。
 洗剤が身体に及ぼす影響の一つに、接触による皮膚疾患がある。主婦湿疹(しっしん)とよばれる非炎症性(使用を中止すれば自然に治癒する)の手指の荒れがよく知られている。経口急毒性は、通常の合成洗剤はせっけんとほぼ同様である。50%致死量が体重1キログラム当たり4~10グラムであり、食塩よりも毒性が低く、実際上無毒性に分類される。活性剤のなかでは陽イオン活性剤は毒性が強く、非イオン活性剤は毒性がもっとも弱い。合成洗剤の使用に際しては、必要以上に多量に使わないように、水で希釈して(通常0.2%溶液)用いるよう注意し、なるべくゴム手袋などを着用して、手指などを保護するのが望ましい。また、誤飲を避けるため、保管にも気をつけなければならない。[篠塚則子・永山升三]
『荻野圭三著『合成洗剤の知識』(1974・幸書房) ▽今木喬・大木幸介・富山新一著『洗剤の科学』(1988・ドメス出版) ▽北原文雄著『界面活性剤の話』(1997・東京化学同人) ▽藤井徹也著『洗剤――その科学と実際』(1995・幸書房) ▽荻野圭三著『表面の世界』(1998・裳華房)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

合成洗剤の関連キーワード洗剤中性洗剤スタイルフィット 液体洗剤すっきりシリーズ 炭酸ソーダファーファ洗剤強化因子脂肪酸シンターゼSAS(合成洗剤)SDS(合成洗剤)合成洗浄剤

今日のキーワード

トランスアジア航空

台湾・台北市に本拠を置く航空会社。中国語名は復興航空。1951年、台湾初の民間航空会社として設立。83年に台湾の国産実業グループに経営移管され、組織改編を実施した。92年に国際チャーター便の運航を始め...

続きを読む

コトバンク for iPhone

合成洗剤の関連情報