ドラッグ・デリバリー・システム(読み)どらっぐでりばりーしすてむ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ドラッグ・デリバリー・システム
drug delivery system; DDS

目標とする部位にのみ選択的に,必要十分な薬物を到達させるように開発された薬物投与システム。他臓器での副作用発現の抑制や,限られた部位でのみ薬理作用を発揮させることが目的で,そのために,薬物の構造を部分的に変更したり,薬物を高分子の膜で覆うなど,製剤上の工夫がなされている。最近の製剤技術の向上により,製品化が進んだ分野である。炎症部位に吸収されやすい性質を持つ脂肪小粒子に消炎作用を持つ薬物を含ませた薬剤 (リポ製剤) ,一度血中に吸収され,肝臓などで代謝されてから薬理活性を持つ物質になるようデザインされた薬物 (プロドラッグ) ,局所で薬理作用を発揮し,血中に吸収されると速やかに代謝分解され全身への作用を軽減できるようデザインされた薬物 (アンチドラッグ) などが商品化され始めている。癌細胞を特異的に認識する抗体抗癌剤を結合し,癌を効率的にたたこうという薬剤も開発段階にある。また,特別なポンプを使い,インスリンや抗癌剤などを持続して体内に注入する方法も,DDSのカテゴリーに含まれる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ドラッグデリバリーシステム
どらっぐでりばりーしすてむ

薬物伝送システム

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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