DDS(読み)ディーディーエス

デジタル大辞泉 「DDS」の意味・読み・例文・類語

ディー‐ディー‐エス【DDS】[digital data storage]

digital data storage磁気テープを利用した記憶装置規格の一。音楽用のDATダットベースに、ソニーや米国ヒューレットパッカード社などにより開発された。

ディー‐ディー‐エス【DDS】[drug delivery system]

drug delivery system》⇒ドラッグデリバリーシステム

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「DDS」の意味・わかりやすい解説

DDS
でぃーでぃーえす

投薬の効果を体内で時間的、空間的にコントロールする技術。Drug Delivery Systemの頭文字をとってDDSと称し、薬物送達システム、あるいは薬物輸送システムと訳される。体内の必要な部位にだけ薬を集中・効率的に送り届けたり、薬を長時間効くようにしたりする技術をさす。とくに標的となる患部にのみ作用する投薬技術は、使用する薬が少なくてすむため経済効率がよく、副作用も少ないので、癌(がん)をはじめさまざまな病気の治療や再生医療に応用されている。DDS研究の進歩には医学、薬学、生物学、工学ナノテクノロジー(超微細技術)などの学際連携が不可欠とされている。

 1970年代に、アメリカで提唱された治療技術で、緑内障の治療薬を数日以上効くようにする技術から開発がスタートした。貼(は)り薬のように薬を皮膚から吸収させてゆっくりと効果を持続させる技術や、高分子でできた微小カプセルに薬を入れて標的となる患部へ送り届ける技術などへ発展した。薬を溶かさずに大腸小腸まで運ぶ技術、肝臓など特定の臓器にだけ届ける技術、癌患部にだけ薬を集める技術などが次々と開発されている。通常の薬は全身にくまなく行き渡るため、正常な細胞にも働いて副作用をおこすことがあるが、DDSは標的となる患部にのみ作用するので副作用を少なくすることが可能となる。癌では、前立腺癌カポジ肉腫(にくしゅ)などの治療にDDSが実用化されている。運搬役としては高分子ミセルのほか、有機化合物毒性をなくしたウイルスの殻などが開発されており、光、熱、超音波技術などを併用して薬をより効率的に効かせる治療法も登場している。

 日本では、京都大学名誉教授の瀬崎仁(せざきひとし)(1929―2007)が肝臓細胞に効率的に薬を送り込む技術を開発するなどして、日本のDDS研究の水準を世界的に高めた。

[編集部]

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「DDS」の解説

DDS

ソニーと米Hewlett-Packard社が中心になって開発した、磁気テープを使った記憶媒体のひとつ。DATの技術を利用しており、大容量で安価なのが特長。DDS、DDS-2、DDS-3、DDS-4の4種類の規格があり、それぞれ2GB、4GB、12GB、24GBの容量を持つ。

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世界大百科事典(旧版)内のDDSの言及

【記憶装置】より

…磁気テープmagnetic tape片面に磁性体を塗布した0.1mm以下の厚さのプラスチックテープを走行させ,ヘッドを密着させてデータを読み書きする記憶媒体。1950年代以降最近までテープの幅が1/2インチ(12.7mm)のオープンリール型のものが使われていたが,98年現在は記憶装置専用の1/2インチ,1/4インチのカセットテープのほか,DAT(ディジタルオーディオテープ)や8ミリビデオカセットテープとほぼ同じ媒体を使うDDS(digital data storageの略)やデータ8mmなどが広く使われている。DDSの場合で記憶容量は1.3~24ギガバイトである。…

※「DDS」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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