ドルフース(読み)どるふーす(その他表記)Engelbert Dollfuss

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドルフース」の意味・わかりやすい解説

ドルフース
どるふーす
Engelbert Dollfuss
(1892―1934)

オーストリア政治家キリスト教社会党に属し、1930年国鉄総裁、1931年農相を歴任し、1932年5月首相兼外相となる。ドイツ・オーストリア合邦に反対してイタリアと結び、キリスト教的身分国家を実現しようとして、議会を排除し、共産党ナチス党を禁止し、社会民主党を弾圧したが、このため大衆的基盤を失った。ナチスは国民の不満に乗じてクーデターを計画し、1934年7月25日首相官邸で彼を射殺した。だがこのクーデターは失敗しシューシュニク政権が成立する。

[吉田輝夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

関連語 ドイツ

山川 世界史小辞典 改訂新版 「ドルフース」の解説

ドルフース
Engelbert Dollfuss

1892~1934

オーストリアの政治家。農政上の手腕を認められ1931年農相となり,32年5月には首相兼外相になった。ドイツ‐オーストリア合邦に反対する彼はイタリアと結び,理想とするキリスト教的身分国家を実現すべく,オーストリア社会民主党オーストリア・ナチ党をともに弾圧し,独裁政治を断行した。ナチスは国民の不満に乗じてクーデタを計画し,34年7月25日首相官邸に侵入し彼を射殺した。だがこのクーデタは失敗し,シューシュニク政権が成立する。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

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