ドールトン・プラン(その他表記)Dalton laboratory plan

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ドールトン・プラン」の意味・わかりやすい解説

ドールトン・プラン
Dalton laboratory plan

アメリカの H.パーカストによって,1920年にマサチューセッツ州ドールトン中学校で実施された画期的な学習方法。個々の生徒の学習速度の違いを無視する伝統的教育の学年制に対する進歩主義教育の側の批判から生れた。従前の学校と異なり,教室の代りに各教科別の自習室 (実験室) があって,教科関係の図書,教材類がそなえられ,教師は授業の代りに勉学の割当てをし,必要に応じて助言をするものとし,生徒は午前中各自が立案した勉学計画に従って適宜実験室で自習し,午後は音楽,芸術,手芸家事,手工,体操などを集団で行い共同性を養うものとされた。この実践は日本も含めて世界各国の教育に少なからぬ影響を与えたが,多くの場合この方式がそのままの形で踏襲されるよりは,むしろこの方式の基本的な要素である個別指導の理念が受容され普及したとみられる。のちに,あまりにも個人中心にすぎる点が批判され,ドールトンでは廃止されたが,イギリスやフランスの教育に多くの影響を与えた。

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