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なくに ナクニ

デジタル大辞泉の解説

なく‐に

[連語]《打消しの助動詞「ず」のク語法「なく」+格助詞「に」》
詠嘆的な打消しを表す。…ないことだなあ。
「苦しくも降り来る雨か三輪の崎狭野(さの)の渡りに家もあら―」〈・二六五〉
詠嘆的に打消し、逆接的に接続する意を表す。…ないことなのに。
「やどりせし花橘(はなたちばな)も枯れ―などほととぎす声絶えぬらむ」〈古今・夏〉
[補説]「に」は詠嘆の終助詞とも。主として和歌に用いられ、上代では1の意で文末の用法が多く、平安時代以降は2の意で文中の用法が多い。

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大辞林 第三版の解説

なくに

( 連語 )
〔打ち消しの助動詞「ず」のク語法「なく」に助詞「に」の付いたもの〕
上の事柄を詠嘆的に打ち消し、下に逆接的に続ける。 「山川も隔たら-かく恋ひむとは/万葉集 601」 「深山みやまには松の雪だに消え-都は野辺の若菜つみけり/古今 春上
文末に用いられて、上の事柄を詠嘆的に打ち消す。…ないことだなあ。 「滝の上の三船の山に居る雲の常にあらむと我が思は-/万葉集 242」 「色もなき心を人に染めしより移ろはむとは思ほえ-/古今 恋四」 〔上代に多く用いられた語で、中古以降は和歌以外にはほとんど用いられなくなった〕

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