日本大百科全書(ニッポニカ) 「ナゾール」の意味・わかりやすい解説
ナゾール
なぞーる
Vladimir Nazor
(1876―1949)
クロアチアの詩人、小説家。アドリア海のブラチ島の出身。グラーツ大学で自然科学を修め、ギムナジウムの教師や孤児院院長を務める。1893年文学活動に入り、叙事詩集『スラブ伝説』(1900)で詩壇にデビュー。物語詩『熊のブルンド』(1915)、詩集『落穂』(1917)、『四天使の歌』(1927)、歴史小説『イストリア物語』(1912)、自伝小説『シャルコ』(1930)、長編『羊飼(ひつじかい)ロダ』(1946)などが代表作。第二次世界大戦中、老年ながらパルチザンに参加、その体験から愛国詩『パルチザンの歌』(1945)が生まれた。戦後クロアチア国会議長に選ばれ、ザグレブ大学から名誉博士の称号を受けた。
[栗原成郎]