ナックル歩行(読み)ナックルほこう(その他表記)knuckle walking

改訂新版 世界大百科事典 「ナックル歩行」の意味・わかりやすい解説

ナックル歩行 (ナックルほこう)
knuckle walking

ゴリラ属チンパンジー属が日常的に行う四足歩行様式。指背(しはい)歩行ともいう。四足性霊長類は,通常,手掌か指の手掌面で体重を支えるが,これらのアフリカ類人猿は手の指の付け根にある中手基節関節を伸ばしきった状態に保ち,第2指から第5指の中節の背側で接地する。樹上運動に特殊化して指が長くなった類人猿が地上に降り,手の指を曲げた状態で歩くようになった。こうした状態はオランウータンにも見られる。その後,何らかの理由で,中手基節関節の伸展と第2指から第5指の中節だけによる接地が発生した。ゴリラチンパンジーでナックル歩行は平行進化したという説が有力である。
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