ならず者国家(読み)ならずものこっか(その他表記)rogue state

翻訳|rogue state

知恵蔵 「ならず者国家」の解説

ならず者国家

国際社会の「ならず者」という比喩による非難の言葉。米のメディア・政治家が、イラク北朝鮮イランなどを指して用いる。通俗用語だったが、ブッシュ政権は、「ブッシュ・ドクトリン」を集成した2002年度の「米国国家安全保障戦略」で公的用語として用い、「悪の枢軸」、「無法者政権(outlaw regime)」とも呼ぶ。その意味は(1)テロ支援国家、(2)大量破壊兵器保有するか、保有を狙う国、(3)自由と人権を無視する独裁国。米国にとり好ましくない国に「悪」のレッテルをはる世論操作の機能を果たす。

(坂本義和 東京大学名誉教授 / 中村研一 北海道大学教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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