ニャムウェジ族(読み)ニャムウェジぞく(英語表記)Nyamwezi

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニャムウェジ族」の意味・わかりやすい解説

ニャムウェジ族
ニャムウェジぞく
Nyamwezi

タンザニア西部に住むバンツー語系の民族。隣住するスクマ族と言語的・文化的に非常に近い関係にある。雑穀類,とうもろこし,さつまいも,キャッサバなどを栽培し,換金作物として米もつくっている。多くの首長国に分れ,各首長国は首長ンテミを頂点にもつ中央集権的な政治構造をもっていた。首長位の継承は 19世紀に母系から父系に変化したが,それ以外の役職は常に父系的に継承されていた。平民の間では出自は母系をたどる。一夫多妻婚がみられ,婚資を支払う。また,入社式のきびしい秘密結社が多くある。海岸部との交易要所となった 19世紀以降,アラブ商人との関係が深く,タボラにはアラブ人居住地もできた。祖先崇拝が最も重要な宗教儀礼となっている。

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