ニャムウェジ族(読み)ニャムウェジぞく(その他表記)Nyamwezi

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニャムウェジ族」の意味・わかりやすい解説

ニャムウェジ族
ニャムウェジぞく
Nyamwezi

タンザニア西部に住むバンツー語系の民族。隣住するスクマ族と言語的・文化的に非常に近い関係にある。雑穀類,とうもろこし,さつまいも,キャッサバなどを栽培し,換金作物として米もつくっている。多くの首長国に分れ,各首長国は首長ンテミを頂点にもつ中央集権的な政治構造をもっていた。首長位の継承は 19世紀に母系から父系に変化したが,それ以外の役職は常に父系的に継承されていた。平民の間では出自は母系をたどる。一夫多妻婚がみられ,婚資を支払う。また,入社式のきびしい秘密結社が多くある。海岸部との交易要所となった 19世紀以降,アラブ商人との関係が深く,タボラにはアラブ人居住地もできた。祖先崇拝が最も重要な宗教儀礼となっている。

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世界大百科事典(旧版)内のニャムウェジ族の言及

【タンザニア】より

…北東部の山岳地域のシャンバラ族はキリンディ王朝のもとで行政組織を整え,チャガ族も統一への動きがあった。南部アフリカからヌゴニ族が強力な軍隊組織をもって侵攻して来たとき,これに対抗して軍団組織を備えたのがニャムウェジ族やヘヘ族であった。 1840年にアラビア半島マスカットのアラブのスルタン,サイイド・サイードがザンジバルに本拠を移したことにより,大陸沿岸部から内陸部へキャラバン通商路が開かれて,内陸部の小国家群は大変動にさらされ,勢力が弱まった。…

【ミランボ】より

…東アフリカ,現在のタンザニア中西部に住むニャムウェジ族Nyamweziを統合した大首長。少年のころ,南アフリカから北上して来たヌゴニ族の軍団の捕虜となったが,彼らの軍事組織を学び,首長に率いられた小集団に分かれて政治的統一に欠けていたニャムウェジ族の強化を図って勢力を拡大した。…

※「ニャムウェジ族」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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