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婚資 こんし bridewealth

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

婚資
こんし
bridewealth

花婿が婚姻に際して花嫁の親族に支払いを行なう制度。花嫁代償,聘財(へいざい)ともいう。世界の各地でみられるが,特にアフリカに多い。通常,家畜その他の財貨が支払われるが,現金のこともあり,または花婿が一定の期間,花嫁の父に労働奉仕する場合もある。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉の解説

こん‐し【婚資】

花婿または花婿の親族が、花嫁の親族に対して贈る財産。⇔持参財

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大辞林 第三版の解説

こんし【婚資】

文化人類学の用語。婚姻を正式なものとするため夫方から妻方に贈られる金品や財産。妻の持参財(dowry)を含めることもある。 → 持参金結納

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

婚資
こんし
bridewealth

婚姻に際し、これを正式なものとするために、花婿ないし花婿の親族から花嫁の親族に対して贈られる財や金品。広く世界各地にみられる習慣である。一般的に婚資は、花嫁のもつ出産力ないし労働力に対する代償として贈られると考えられており、とくにこの方面の研究が盛んなアフリカの事例では、すでに性関係のある男性でも十分な婚資を払いきるまで女性を性的に独占できないばかりか、自分の親族のもとに連れてくることも、子を自分のものとすることもできないことが多い。逆に婚資を払いきっている夫婦で妻が離婚を望むときには、妻の親族は夫に婚資を返還しなくてはならない。また婚資が払いきれないとき、男性が女方に住み着いて肩身の狭い思いをしつつ女性の親族に労働奉仕をするという慣習もしばしばみられる。
 婚資となるものは、その文化、社会で貴重と考えられている動産であることが多く、アフリカの牧畜民の間ではウシ、ヤギ、ヒツジなど、またニューギニア高地ではブタなどの家畜であり、また狩猟民の間では弓矢などの武器であったりする。市場経済の導入されている地域では現金が用いられることが多い。婚資は通常、夫婦関係を安定させる機能をもつが、それと同時に、しばしば、二つの姻族の間の正式な社会的、経済的、また象徴的な関係を生み出したり、強めたりする互酬の始まりとなっている。なお、婚資とは逆に、花嫁方から花婿方に渡される財を持参財という。[山本真鳥]

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世界大百科事典内の婚資の言及

【持参金】より

…持参金とは,一般に女子が嫁入りに際して生家より持参する財産のことであるが,これを婚姻に伴う財産の移動という広い視野からとらえるならば,日本では,男子主導の婚姻・相続形態の形成に伴って,身分による偏差をはらみながら,現代用いられている女性婚資という意味での持参金が生成してきたのは,中世である。
【日本】

[古代]
 日本古代には嫁入婚は未成立であったから,〈持参〉という概念は文字どおりにはあてはまらない。…

【年齢集団】より

…東アフリカ部族社会の複婚は一部の上層富裕層のみでなく,むしろこのようなメカニズムによることも一因だと考えられる。なおこの種の複婚の要因には,さらに青年男子では調達が困難な花嫁代償(婚資)が加わっている。つまり花嫁の出産力や労働力への代償として,これを受ける婿方が嫁方に贈るべき高額の代償(牛や羊または金品)の調達は年長者にずっと有利で,これが複妻取得を助長するわけである。…

【花嫁代償】より

…婚姻に際し花婿側から花嫁側に代償として贈られる財貨およびサービス。婚資という語が用いられることもあるが,これは持参財あるいは婚姻に要する費用や資金の意味にも解されるので,花嫁代償または略して嫁償と称するほうが適当であろう。とくにアフリカで盛んに行われ,進出初期の西ヨーロッパの宣教師たちは,これを人身売買とみなして花嫁代価bride‐priceと称していた。…

【メラネシア人】より

…血縁集団レベルでは族外婚の規制をうけるが,地縁内婚がしばしばあり,そのために単一の共同体でほとんどの人々が親族,姻族の双方に結ばれている。結婚に際して男の親族集団から女の親族集団に贈られる花嫁代償(婚資),あるいは両者の間での富の平等な交換の交渉が妥結して,はじめて結婚が成立する。一夫多妻は多くの社会で認められているが,女に強く反発されており,ケースとしては多くない。…

【結納】より

…結納が重要となったのは,嫁入婚,とくに村外婚が行われるようになってからとされる。結納は婚資bride‐wealthの一種であり,その額は他社会と比べ少額の類に入る。花嫁代償【植松 明石】。…

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