日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ニューヨーク・フィルハーモニー交響楽団
にゅーよーくふぃるはーもにーこうきょうがくだん
New York Philharmonic
現代アメリカの代表的交響楽団の一つ。正称ニューヨーク・フィルハーモニック。ニューヨーク・フィル(NYP)と略称される。1842年、合衆国最初の本格的な交響楽団として活動を始め、91~98年常任指揮者を務めたアントン・ザイドルAnton Seidl(1850―98)により演奏水準が高められ、20世紀初頭にはワルター・ダムロッシュWalter Damrosch(1862―1950)、マーラーらが指揮者を務めた。1920年代に、ナショナル交響楽団、ニューヨーク交響楽団などを吸収・合併、メンゲルベルク、トスカニーニという名指揮者を常任指揮者に迎えて活動した。第二次世界大戦後はワルター、ミトロプーロスらに次いで、58年からバーンスタイン、69年からセル、71年からブーレーズ、78年からメータ、91年からマズアが音楽監督を務めた。2002年5~6月、日本を含むアジア演奏旅行等を行ってマズアが退任後、同年9月からはマゼールが音楽監督に就任。2002年現在楽員数106名。リンカーン・センターのエバリー・フィッシャー・ホールでおもに演奏するほか、多くの演奏旅行、録音を行っている。初来日は1961年(昭和36)。
[美山良夫]