セル

デジタル大辞泉 「セル」の意味・読み・例文・類語

セル(cell)

《小部屋の意》
細胞
スプレッドシート表計算ソフト)の、ます目の一つ。
携帯電話やPHSなどの移動体通信における、基地局の電波が届く範囲(通信可能エリア)のこと。
電池。「フューエルセル(=燃料電池)」
セルモーター
降水セル」の略。

せる[助動]

[助動][せ|せ|せる|せる|せれ|せろ(せよ・せい)]五段動詞の未然形サ変動詞の未然形「さ」に付く。
相手が自分の思うようにするよう。また、ある事態が起こるようにしむける意を表す。「使いに行かせる」「あすは休まてやる」
(「せていただく」「せてもらう」の形で)相手方の許しを求めて行動する意を表す。「言わていただく」「やらてもらう」
(「せられる」「せたもう」の形で)尊敬の意を表す。「殿下は極めてご多忙であらられる」→させる

セル

オランダ語の「セルジ」を「セル地」と解したところから》主に梳毛糸そもうしを使った平織り、または綾織りの和服用毛織物。セル地。 夏》「―着れば風なまめけりおのづから/万太郎

セル(cel/cell)

《celluloid(セルロイド)の略》アニメーションの原画を描くための、セルロイド製の薄い透明シート。

セル(sell)

売ること。販売。「セル用の品」

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精選版 日本国語大辞典 「セル」の意味・読み・例文・類語

せる

  1. 〘 助動詞 〙 ( 活用は「せ・せ・せる・せる・せれ・せよ(せろ)」。五段(四段)活用の動詞の未然形に付く )
    [ 文語形 ]
  2. ( 活用は「せ・せ・す・する・すれ・せよ」。四段活用、ナ行・ラ行変格活用の動詞の未然形に付く )
  3. [ 一 ] 使役の意を表わす。
    1. 他にその動作をさせる意、またはそのように誘発する意を表わす。
      1. [初出の実例]「二上(ふたがみ)の山に隠れるほととぎす今も鳴かぬか君に聞か勢(セ)む」(出典:万葉集(8C後)一八・四〇六七)
      2. 「馬の足の及ばうほどは、手綱をくれて歩ませよ。はづまばかい繰って泳がせよ」(出典:平家物語(13C前)四)
    2. そのような動作、作用が行なわれることを許可する、またはそのまま放任する意を表わす。…のままにする。…させておく。武士ことばとして、受身の「る」の代わりに用いられることがある。
      1. [初出の実例]「こよひ、かかることと、声高にものも言はせず」(出典:土左日記(935頃)承平五年二月一六日)
      2. 「僧都〈略〉あやしの臥どへも帰らず、浪に足うちあらはせて、露にしほれて」(出典:平家物語(13C前)三)
    3. 許しを依頼する意を表わす。
      1. [初出の実例]「あなたの顔を描かせていただきたいものですね」(出典:都会の憂鬱(1923)〈佐藤春夫〉)
  4. [ 二 ] 敬意を表わす。
    1. ( 尊敬を表わす語とともに用いて ) 尊敬の意を強める。
      1. [初出の実例]「仰(おほせ)ごとに〈略〉よく見て参るべき由のたまはせつるになん、参りつる」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
      2. 「なほ高く吹かせおはしませ。え聞きさぶらはじ」(出典:枕草子(10C終)二四五)
    2. ( 謙譲を表わす語とともに用いて ) 謙譲の意を強める。
      1. [初出の実例]「これ奉らせんと言ひければ」(出典:枕草子(10C終)一三八)

せるの語誌

( 1 )「せる(す)」は「させる(さす)」と接続の上で補いあう関係にあり、意味は同一である。
( 2 )中世(室町時代)以後、活用が下一段化し、現代の「せる」となる。
( 3 )使役の「す」は、平安時代に発達したものであるが、上代にも、[ 一 ]の挙例「万葉集」の「聞かす」のほか、「知らす」「逢はす」など、その萌芽とみられる例がある。他動詞語尾の「…す」と密接な関係を持つものであろう。
( 4 )敬語としての用法は、使役の表現が動作の間接性を表わすところから転じたものと見られる。単独には用いられず、尊敬語の動詞、「のたまふ」「賜ふ」に下接し、また、連用形「せ」が「給ふ」「おはします」「まします」などに上接する。敬語を重ねることによって高い敬意を表わすもので、特に「せ給ふ」「のたまはす」などは、天皇・皇后やそれに準ずる人にだけ用いられる。
( 5 )現在では「行幸あらせられた」など、「られる」と重ねて改まった尊敬の気持を表わす場合のほかは、敬意を表わすのには用いられない。
( 6 )「す」(「さす」も同じ)は漢文訓読語としては用いられず、仮名文学作品にもっぱら用いられた。漢文訓読文での使役の表現には、上代以来の「しむ」が用いられている。
( 7 )動詞の活用語尾に準ずるものとして、接尾語とする説もある。


セル

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] cell )
  2. 細胞。また、小房、小室、小箱。
    1. [初出の実例]「この砦内部のビンバン細胞(セル)の工作はひそやかで深いので」(出典:輝ける闇(1968)〈開高健〉)
  3. 光化学反応・電気化学反応を行なっている物質を収容した容器。転じて、電池や電解槽(そう)そのものをさしていう。〔物理学術語和英仏独対訳字書(1888)〕
  4. コンピュータで、スプレッドシート(表計算ソフト)の集計の単位。表を構成する一つ一つのます目をいう。

セル

  1. 〘 名詞 〙 ( 「セルジ」を「セル地」と解してその「地」を略した語 ) 梳毛(そもう)糸を平織または綾織、斜子(ななこ)織にした薄地の毛織物。綿・絹を用いた交織もある。和服用の着尺地(きじゃくじ)などに多く使われた。セルジ。《 季語・夏 》
    1. [初出の実例]「紋付の袷羽織を着たるもあれば精縷(セル)の背広なるもあり」(出典:金色夜叉(1897‐98)〈尾崎紅葉〉中)

せる

  1. 〘 動 〙 ( 終止形・連体形だけが見られる ) する。行なう。
    1. [初出の実例]「『アゼどふせる』『ハテおれがせることがある。見され』」(出典:滑稽本・東海道中膝栗毛(1802‐09)三)

セル

  1. 〘 名詞 〙
  2. セルロイド」の略。
  3. 特に、アニメーション製作用の透明なシートをいう。「セル画」

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改訂新版 世界大百科事典 「セル」の意味・わかりやすい解説

セル

梳毛(そもう)織物の一種。単(ひとえ)の和装地で1899年,愛知県下で初めて織られた。セルはサージsergeが語源らしいが別種。平織がほとんどで二幅(75cm)に織って用いた。一部に綾や斜子(ななこ)織がある。経緯糸ともに梳毛双糸使い,緯糸のみに単糸使いがあり,とくに撚搦糸(よりからみいと)(杢糸(もくいと)),強撚糸(きようねんし)が多用されるのが特徴である。しわになりにくく着やすいため平常の合着に向く。無地,縞,霜降り,みじん柄が多い。解絣(ほぐしがすり),経絣,緯絣,抜染など,特殊な技法のものもある。着尺のほかに袴地,コート地に使われる。セル機業は愛知県を中心に発展し,大正から昭和13年ころまで大流行が続いた。ほかに袷(あわせ)着尺用のウールラインや白加工地のアムンゼン,綿セル,絹セルなど種々あった。現在もわずかであるが市場にみられる。
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セル
George Szell
生没年:1897-1970

ハンガリー出身のアメリカの指揮者。ウィーンで育ち,青年時代は作曲もしたが,やがて指揮活動に専念するようになる。1920年代はベルリン国立歌劇場指揮者およびベルリン高等音楽学校教授として活動。第2次世界大戦の勃発と同時にアメリカに移る。42年から約5年間メトロポリタン歌劇場の指揮者を務めたのち,46年クリーブランド管弦楽団の音楽監督となり,没年までこの地位にあった。なお69年からニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団の芸術顧問兼客演指揮者でもあった。古典派,ロマン派の作品に加えてバルトークやW.ウォルトンの作品の演奏にも定評があった。1970年に来日。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「セル」の意味・わかりやすい解説

セル
Scelle, Georges

[生]1878.3.19. アブランシュ
[没]1961.1.8. パリ
フランスの国際法学者。 1906年法学博士,ディージョン,ジュネーブの大学教授を経て,34年パリ大学教授。 L.デュギーの流れをくみ社会連帯を基礎とした国際法理論,特に国家の法人格を否定して国際法の主体をもっぱら個人とする特異な見解を展開した。国連国際法委員会では,仲裁手続に関する規則の立案・作成に貢献した。主著『国際法概論──原則と体系』 Précis de droit des gens,principes et systématique (1932~34) ,『国際公法講義』 Cours de droit international public (48) 。

セル
Szell George

[生]1897.6.7. ブダペスト
[没]1970.7.30. クリーブランド
ハンガリー生れのアメリカの指揮者。ピアニスト,作曲家として出発し,のち指揮者に転じる。 1917年ストラスブール歌劇場の指揮者を振出しに,プラハ,ダルムシュタットなどで活躍。 24~29年ベルリン国立歌劇場第1指揮者,その間 1926年ベルリン音楽学校教授にも就任。 33年渡英し,ロンドン・フィルハーモニー交響楽団を指揮,37~39年スコットランド管弦楽団常任指揮者。第2次世界大戦のため 39年渡米,46年以来クリーブランド管弦楽団の常任指揮者となり,同楽団をアメリカ一流の楽団に引上げた。アメリカ最高の指揮者と仰がれる。古典から現代まで,そのレパートリーは広い。

セル

梳毛 (そもう) 和服地の一つで,オランダ語セルジ sergeの略語。経糸,緯糸とも純毛梳毛糸を用い,一般に平織で,柄は霜降り,縞,絣,プリント。純毛セルのほか,絹セル (絹または絹毛交織) ,半セル (綿毛交織) ,綿セル (綿織物) などがある。用途は男女とも合着にする単 (ひとえ) の着尺地,袴地など。

セル
cell

浮選機などで構成単位となっている容器または容器区画。槽と呼ぶこともある。浮選機を例にとれば,一式の浮選機は通常数個ないし十数個のセルから成っている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「セル」の意味・わかりやすい解説

セル(George Szell)
せる
George Szell
(1897―1970)

ハンガリー出身のアメリカの指揮者。ブダペストに生まれ、幼時からウィーンで育ち、ピアノと指揮に才能を発揮した。1917年クレンペラーの後任としてストラスブール市立歌劇場指揮者に就任、以後ベルリン、プラハ、グラスゴー、ハーグなどで歌劇場やオーケストラの指揮者を務めた。39年アメリカ滞在中に第二次世界大戦が始まったため、とどまってメトロポリタン歌劇場を本拠に活躍、この間アメリカに帰化し、46~70年クリーブランド管弦楽団の音楽監督となり、この楽団を世界最高の水準に引き上げた。70年(昭和45)5月同楽団と来日したが、その2か月後に死去。オーケストラの厳格な訓練と統御で知られ、手塩にかけたオーケストラを自在に使いこなして、健康的で豊麗な音楽を生み出してみせた。

[岩井宏之]


セル(織物)
せる

セルは、もとサージsergeから転訛(てんか)したもので、セルジスともいい、経緯(たてよこ)ともに梳毛(そもう)糸を使って平織、あるいは斜文に織った広幅織物である。無地染めのほか、杢(もく)糸を使ったり、縞(しま)や絣(かすり)、あるいは捺染(なっせん)したりしたものもある。明治時代からモスリンとともに和服用として一般に使われてきたもので、セルを使い和服に仕立てることをセル仕立てともいった。第二次世界大戦前までは初夏の単衣(ひとえ)として着られた。俳諧(はいかい)では夏の季語。

[角山幸洋]

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「セル」の解説

セル

表計算ソフトのワークシートを構成しているマス目のこと。1つのセルに1つのデータを保存する。セルには文字、数値、計算式、マクロなどのさまざまな内容が保存できる。これによって、セル同士の依存関係や計算を自動化できる。特定のセルを指定するには「行」と「列」で指定したセルアドレスを用いる。たとえば、Excelでは、列はアルファベット、行は数値で表されており、2列目の10行にあるセルは、「B10」と表現される。

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百科事典マイペディア 「セル」の意味・わかりやすい解説

セル

薄地の梳毛(そもう)織物の一種。サージをセルジと読んだことから転化した語という。平織で縞(しま),格子,絣(かすり),霜降りなどが多く,2幅(75cm)の着尺地に織る。軽くてしわにならず,保温性があるので,単(ひとえ)の着物,羽織,コート,袴(はかま)などにする。

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パソコンで困ったときに開く本 「セル」の解説

セル

エクセルなどの表計算ソフトでワークシート内の文字や数字を入力する枠1マス分のことです。また、ソニー・コンピュータ・エンターテインメント社が米IBM、東芝と協力して開発したCPUの名称でもあります。
⇨表計算ソフト、ワークシート

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DBM用語辞典 「セル」の解説

セル【cell】

全体を構成している中の一つのグループ(部屋)。調査業界では、調査に使われる標本グループの構成要素。コンピュータ業界では一つのスクリーン画面の縦と横で区切られたマス目などを指す。

出典 (株)ジェリコ・コンサルティングDBM用語辞典について 情報

デジタル大辞泉プラス 「セル」の解説

セル

米国の作家スティーヴン・キングのベストセラー長編ホラー小説(2006)。原題《Cell》。

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パラグライダー用語辞典 「セル」の解説

セル

機体の構造のひとつ。リブで仕切られた1ブロックの単位。

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世界大百科事典(旧版)内のセルの言及

【自己増殖機械】より

…ここで論理的といったのは,実際に機械や電子回路など物理的手段でつくるのではなくて,理屈の上では可能という意味である。彼は自己増殖機械の存在を実証するために,セル構造機械(あるいはセル空間)の概念を初めて提唱した。以下にフォン・ノイマンの自己増殖機械の概略を述べる。…

【セル構造機械】より

…同一の構造をもった多数の素子(有限オートマトン)を規則正しく配列し,規則正しく結線した系(自動機械)をセル構造機械,セル構造オートマトン,あるいは一様構造機械という。生体の多細胞から成る構造に倣ってセルcell構造と名づけられている。…

【毛織物】より

…これら企業の新工場では力織機の普及が進んで国内のモスリン生産は著しく増加し,第1次大戦(1914‐18)直前には輸入モスリンを駆逐するほどになった。モスリンの流行によって和服用セル(セルジス)の需要も高まり,愛知県の尾西地方でセル生産が盛んになった(〈尾西織物〉の項参照)。ついで第1次大戦中はヨーロッパからの毛織物輸入が途絶えたうえ,ロシアからの軍需用服地の大量注文もあって,毛織物工業はいっそう発展した。…

※「セル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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