日本大百科全書(ニッポニカ) 「リンカーン・センター」の意味・わかりやすい解説
リンカーン・センター
りんかーんせんたー
Lincoln Center
アメリカのニューヨークにある音楽と芸術のための総合芸術センター。セントラル・パークの西側、九番街と十番街に挟まれた62丁目から66丁目にかけての約1万平方メートルの敷地に、ジョン・D・ロックフェラー3世の発案により1959年に着工され、以下の施設が順次完成した。
フィルハーモニック・ホール(1962年開場) 2836席のコンサート・ホール。当初は音響が悪く、数回にわたり改善が行われた。改善工事の費用を拠出した人の名をとってエバリー・フィッシャー・ホールとよばれ、ニューヨーク・フィルハーモニーの定期演奏会場。
ニューヨーク・ステート・シアター(1964年開場) 2700人収容。ニューヨーク・シティ・バレエ、および同シティ・オペラの本拠地である。
メトロポリタン歌劇場(1966年開場) 同名の旧歌劇場を引き継いだ世界有数のオペラの殿堂。1982年(昭和57)には日本の歌舞伎(かぶき)公演も行われた。
そのほか、アリス・タリー・ホール、上演芸術図書館、ジュリアード音楽学校新校舎などが設置され、ニューヨークの音楽芸術生活の中心となっている。
[美山良夫]