仲間(読み)ナカマ

デジタル大辞泉 「仲間」の意味・読み・例文・類語

なか‐ま【仲間】

一緒に物事をする間柄。また、その人。「趣味を同じにする仲間に加わる」「飲み仲間
地位職業などの同じ人々。「文士仲間
同じ種類のもの。同類。「オオカミは犬の仲間だ」
近世、商工業者の同業組合官許を得たものを株仲間といった。
[類語](1同輩朋輩ほうばい同僚同志同人メート同士常連一味一派徒党味方翰林盟友同腹相手友達友人ペンフレンドペンパル朋友友垣酒徒茶飲み友達ルームメート畏友知友知音親友心友仲良し良友悪友戦友校友同窓生学友同級生級友クラスメート同窓同期同期生同期の桜社友僚友寮友政友詩友亡友/(2)(3同類一類一党徒輩とはいともがらやからたぐい集団一群一団チームパーティー

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改訂新版 世界大百科事典 「仲間」の意味・わかりやすい解説

仲間 (なかま)

歴史的には,江戸時代における商工業者が互いの利益を守るために結成した同業組合のことをいう。その中で幕府や藩の公許を得ていたものは〈株仲間〉と呼ばれた。この仲間メンバーの人数は限定されていたので,それへの加入権は株として譲渡・売買された。仲間は規約・役員を定め,寄合をもち,公儀への金品の上納や人的奉仕と引換えに,営業上の保護と独占特権が与えられた。また生産や価格の相互規制を行うとともに,いっしょに行楽参詣に出かけるなど,今日の同業者団体と変わらぬことを実施している。この事実からすると,仲間という言葉が,いっしょに物事・仕事をする者どうし,気の合った者どうし,といった意味をもつのも当然のことである。一般に仲間は,身内をこえて社会生活をともにする人間ないし集団,すなわち,友人,同業者,同好の士,組織内の内輪のつどい,主義主張をもった運動主体や職能団体などを指すが,それらが,互いに顔見知りで親しく付き合う者の集りのことであることはいうまでもない。その際〈親密である〉というのは,家族相互間でのように,お互いどうし警戒することなく無防備で接することができ,拒否されることはまずないからぐあいの悪いことも遠慮なく頼める間柄である,ということを指している。そこでは人を助けるにしても,自発的な気持ちからであって,慈善的であらねばならないといった責務からするのではない。仲間における人間関係のもう一つの特色は,〈相互に対等・平等であること〉(米山俊直)にある。もちろん技能や個性に応じて,自然発生的にリーダーが発生するが,その統率力は,組織の管理的な役割権限に基づく場合のそれとは違って,仲間内での人望や人徳によるものである,と米山はいう。機能的な役割関係では,とかく人間性が見失われがちだが,自発的・主体的に参加する仲間では,それは防がれる。
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旺文社日本史事典 三訂版 「仲間」の解説

仲間
なかま

江戸時代,商工業者の同業者の団体
独自の法をつくり,営業権の独占をはかった。幕府に公認されたものを株仲間という。

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世界大百科事典(旧版)内の仲間の言及

【株仲間】より

…江戸時代の商人,手工業者たちによる特権的な結合組織。幕府や諸藩が流通統制や警察的取締りを行うため,あるいは領主層の御用を果たさせるためなどの目的で,上から株仲間を設定する〈御免株〉と,下からの願によって株仲間を認可する〈願株〉とがある。
[成立]
 願株の成立以前に,都市においては各種商人,手工業者の私的な仲間が結成されていた。…

※「仲間」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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