デジタル大辞泉 「仲間」の意味・読み・例文・類語
なか‐ま【仲間】
2 地位・職業などの同じ人々。「文士の
3 同じ種類のもの。同類。「オオカミは犬の
4 近世、商工業者の同業組合。官許を得たものを株仲間といった。
[類語](1)同輩・
( 1 )江戸時代以降広く使われるようになったことばで、室町時代から江戸時代にかけての、社会結合の単位としての「組」組織の確立のあったこと、すなわち、相互扶助的な「組」に属することによって、そこから仲間意識が芽生えるようになったことが背景として考えられる。
( 2 )江戸時代には「仲間」を構成要素とした「仲間あきなひ」「仲間買ひ」「仲間法度」などの熟語がさまざまな職業集団の中から作られている。
歴史的には,江戸時代における商工業者が互いの利益を守るために結成した同業組合のことをいう。その中で幕府や藩の公許を得ていたものは〈株仲間〉と呼ばれた。この仲間メンバーの人数は限定されていたので,それへの加入権は株として譲渡・売買された。仲間は規約・役員を定め,寄合をもち,公儀への金品の上納や人的奉仕と引換えに,営業上の保護と独占特権が与えられた。また生産や価格の相互規制を行うとともに,いっしょに行楽や参詣に出かけるなど,今日の同業者団体と変わらぬことを実施している。この事実からすると,仲間という言葉が,いっしょに物事・仕事をする者どうし,気の合った者どうし,といった意味をもつのも当然のことである。一般に仲間は,身内をこえて社会生活をともにする人間ないし集団,すなわち,友人,同業者,同好の士,組織内の内輪のつどい,主義主張をもった運動主体や職能団体などを指すが,それらが,互いに顔見知りで親しく付き合う者の集りのことであることはいうまでもない。その際〈親密である〉というのは,家族相互間でのように,お互いどうし警戒することなく無防備で接することができ,拒否されることはまずないからぐあいの悪いことも遠慮なく頼める間柄である,ということを指している。そこでは人を助けるにしても,自発的な気持ちからであって,慈善的であらねばならないといった責務からするのではない。仲間における人間関係のもう一つの特色は,〈相互に対等・平等であること〉(米山俊直)にある。もちろん技能や個性に応じて,自然発生的にリーダーが発生するが,その統率力は,組織の管理的な役割権限に基づく場合のそれとは違って,仲間内での人望や人徳によるものである,と米山はいう。機能的な役割関係では,とかく人間性が見失われがちだが,自発的・主体的に参加する仲間では,それは防がれる。
執筆者:浜口 恵俊
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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…また53年前後には,民間放送の開始により新人俳優活躍の場も広がり,俳優座養成所卒業生らを主体とする〈青年座〉(1954年結成。森塚敏,東恵美子,初井言栄(ことえ),山岡久乃ら)をはじめとして,〈仲間〉(中村俊一,生井武夫ら。正式名称〈劇団仲間〉),〈新人会〉(早野寿郎,小沢昭一ら),〈三期会〉(広渡(ひろわたり)常敏,熊井宏之ら。…
…江戸時代の商人,手工業者たちによる特権的な結合組織。幕府や諸藩が流通統制や警察的取締りを行うため,あるいは領主層の御用を果たさせるためなどの目的で,上から株仲間を設定する〈御免株〉と,下からの願によって株仲間を認可する〈願株〉とがある。
[成立]
願株の成立以前に,都市においては各種商人,手工業者の私的な仲間が結成されていた。…
※「仲間」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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