日本大百科全書(ニッポニカ) 「ノコギリウニ」の意味・わかりやすい解説
ノコギリウニ
のこぎりうに / 鋸海胆
[学] Prionocidaris baculosa annulifera
棘皮(きょくひ)動物門ウニ綱フトザオウニ目フトザオウニ科に属する海産動物。鋸(のこぎり)の歯のような突起列のある大きな棘(とげ)をもつウニ。大棘のほかに籾殻(もみがら)状の小棘が多数ある。全体に淡赤褐色で、大棘には赤紫色の縞(しま)があり、その基部には赤紫色の斑点(はんてん)がある。本種が属する目のラテン名はキダロイダCidaroidaで、古代ペルシア王のターバンにちなんで名づけられたもの、本種もそれにふさわしく、裸殻は宝石をちりばめた王冠のように美しい。相模(さがみ)湾以南、インド洋、西太平洋の浅海域に分布する。
[重井陸夫]
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