日本大百科全書(ニッポニカ) 「ノシメコクガ」の意味・わかりやすい解説
ノシメコクガ
のしめこくが / 熨斗目穀蛾
Indian meal moth
[学] Plodia interpunctella
昆虫綱鱗翅(りんし)目メイガ科に属するガ。ノシメマダラメイガともいう。はねの開張10~18ミリメートルで、はねは非常に細長く、前翅の基部に近い半分は淡い黄褐色、それより外は赤色の地に黒っぽい鱗粉を散布する。後翅は白色、半透明だが外縁部は赤褐色を帯びる。幼虫は淡黄白色のウジで、頭部は黄褐色。穀類のほか乾果、製菓など多くの乾燥食品を食べる害虫である。幼虫はクモの巣より細密に糸を吐き、その中で蛹化(ようか)する。本種が多発すると、共同でつくった巣の中で幼虫が活動するのがみられる。発生は不規則で、年3、4回の世代を営む。米や麦の倉庫のほか、人家の台所でもよくみいだされる。
[井上 寛]