日本大百科全書(ニッポニカ) 「ノバヤ・ゼムリャ」の意味・わかりやすい解説
ノバヤ・ゼムリャ
のばやぜむりゃ
Новая Земля/Novaya Zemlya
北極海の中に、北北東―南南西方向に細長く延びるロシア連邦領の島。東側のカラ海と、西側のバレンツ海とを分かつ。長さ925キロメートル、総面積約8万2600平方キロメートル。南北の二つの大きな島と、周囲の多数の小島からなり、ウラル山脈の延長と考えられる。南北両島はつながって一つの島のようにみえるが、その間は幅2~3キロメートルのきわめて狭いマトチキン・シャル海峡となっている。北島は山がちで、最高点は1547メートル、広く氷河に覆われている。南島には低地も広がり、ツンドラ(永久凍土帯)となっている。気候はきわめて寒冷で、平均気温は夏季2~6℃、冬季零下20℃前後。年降水量は約300ミリメートル。霧が発生することが多い。南島の西海岸に、極地観測所を中心としたいくつかの小集落がある。また核実験場がある。ノバヤ・ゼムリャの存在は、16世紀にはすでにヨーロッパに知られており、19世紀から20世紀初めにかけて盛んに探検が行われた。名称は「新しい土地」の意。
[熊木洋太]