北島(読み)ほくとう

百科事典マイペディアの解説

北島【ペイタオ】

中国の詩人。北京市に生まれる。本名趙振開。1966年,北京第4中学在学中に文化大革命で学業を中断。68年より80年まで,コンクリート工などの肉体労働に従事。70年頃より詩と小説を書き始める。78年,芒克らと地下文学雑誌《今天》を創刊,編集長となるが,80年9月北京市公安局により停刊処分を受ける。詩集と小説が出版されるが,89年2月,魏京生ら投獄されている政治犯の釈放を求める,北京市文化人三十三人の公開書翰を提起して公表,同年4月の天安門事件に際して米国に出国,国外流亡を選んだ。ノルウェーデンマーク,オランダなど欧州各地を転々とし詩作を続け,93年以降はアメリカに移住,カリフォルニア州立大学などで教鞭をとる。2008年香港中文大学教授に就任。その詩は,イメージの遠近の深さ,変容の自在さ,鮮烈なリリシズムに貫かれ,現代中国詩の最高の達成と評価され,しばしばノーベル文学賞候補に挙げられている。主な詩を集めた日本語訳に《北島詩集》(是永駿訳,書誌田2009年)がある。

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現代外国人名録2012の解説

北島
ホクトウ
Bei-dao


国籍
中国

専門
詩人

肩書
香港中文大学教授

本名
趙/振開

生年月日
1949/8/2

出生地
北京

経歴
文化大革命のさなか21歳の頃より詩作をはじめ、文革収束後の1978年詩人の芒克、画家の黄鋭らと地下文学雑誌「今天!(TODAY!)」を創刊し、いわゆる朦朧詩派の中心的存在として活躍した。’80年停刊処分。この間、’76年の天安門事件の際に作られた「回答」(’76年)、「花束」(’78年)、「終りまたは始まり」(’80年)、「眠れ谷間よ」(’81年)などの詩があり、’86年には長詩「白日夢」を発表。文革を背景に失われた世代の呪詛と虚無を描いた小説「波」(’79年)などがある。また北欧詩の翻訳も手掛け、訳書に「北欧現代詩選」(’87年)、「シューデルグラン詩選」(’87年)があり、’87年には英国のダーハム大学客員研究員を務めた。’89年の「六・四」天安門事件を機に出国し、欧米に滞在。’90年に「今天!」をノルウェーで復刊、’98年には日本でも復刻される。同年芒克、黄鋭と共に日中国際芸術祭に参加のため来日。2008年より香港中文大学教授。2009年日本語訳「北島詩集」刊行を機に来日し、講演や朗読を行う。

受賞
米国ペンクラブ自由写作賞〔1990年〕

出典 日外アソシエーツ「現代外国人名録2012」(2012年刊)現代外国人名録2012について 情報

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