有用な水産生物資源の維持と増加を図る目的で、漁業が禁止されている特定の水域をいい、「きんぎょく」ともいう。禁漁区は、規制や調整の対象とされる漁業に設定される場合と、産卵場や稚仔魚(ちしぎょ)の生育場所を保護して再生産を期待する場合とがある。また、禁漁区は、長年禁漁を継続する場合と、時期を定めて1年に何回か解禁する場合とがある。一般に禁漁を長年にわたって継続すると、その水域内の生息密度は限界に達する。禁漁期と禁漁区とは時間と空間の差はあるが、同様の意味をもち、しばしば組み合わされて適用される。とくに人工魚礁の設置場所あるいは移殖地を禁漁区に指定するなど、ほかの増殖手段と併用される場合も多い。
[吉原喜好]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…期間を決める際に総漁獲量の制限を組み込むこともある。(3)漁場の制限 禁漁区,保護水面,育成水面などを設け,産卵場や稚仔の生育場所を保護する。禁漁区にはあらゆる漁業を禁止するものと,特定の生物種,期間,漁具・漁法に限って禁止するものとがある。…
※「禁漁区」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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