ハイドロプレーニング(読み)はいどろぷれーにんぐ(その他表記)hydroplaning

翻訳|hydroplaning

デジタル大辞泉 「ハイドロプレーニング」の意味・読み・例文・類語

ハイドロプレーニング(hydroplaning)

ハイドロプレーニング現象

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハイドロプレーニング」の意味・わかりやすい解説

ハイドロプレーニング
はいどろぷれーにんぐ
hydroplaning

降雨などのため表面に水膜の張った舗装路を、自動車が高速で走るとき、ハンドルブレーキも効かなくなる危険な状態をいう。アクアプレーニングaquaplaningともいう。もともとは、ハイドロプレーン水上飛行機や水上滑走艇の、アクアプレーンは今日の水上スキーサーフボードの古い呼び方で、いずれも水面を滑るという意味である。水膜の張った舗装路を高速で走ると、タイヤ踏面路面との間の水が逃げる余裕がなくなり、ちょうど潤滑油の上を滑るような状態になり、走行も制動も効かなくなるのである。その発生の状況は、舗装表面、水膜の厚さ、タイヤの種類や減りぐあいと空気圧、車重、車速などによって変わってくるが、実験によれば車重10トンを超える大型バスでもおこることが確認されている。ハイドロプレーニングはしばしば重大な交通事故の原因となるので、雨天時には晴天時よりも大幅に速度を抑えるよう心がけたい。

[高島鎮雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハイドロプレーニング」の意味・わかりやすい解説

ハイドロプレーニング
hydroplaning

雨などで濡れた路面を自動車が走行するとき,あるスピードの高速 (時速 90km付近) になると,急にタイヤと路面との接触が不完全になって,水面に浮いたような状態になる現象をいう。ハンドル,ブレーキとも無力になるため,蛇行横転衝突などの大事故となる場合が多い。高速回転するタイヤが,路面との間に水を引込むためと考えられる。

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百科事典マイペディア 「ハイドロプレーニング」の意味・わかりやすい解説

ハイドロプレーニング

自動車が水のたまった路面を高速走行中に,タイヤに生じる現象。タイヤが水を排除しきれなくなってタイヤと路面の間に水の膜が生じるもので,タイヤと路面の間の摩擦力が激減するため,制動や方向変更などのコントロールができなくなる。

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世界大百科事典(旧版)内のハイドロプレーニングの言及

【タイヤ】より

… なお,特殊なタイヤとして,雪路上でも走行できるように設計されたスノータイヤや,スノータイヤのトレッド面にスパイクを埋め込んで凍結路でも走行できるようにしたスノースパイクタイヤ(単にスパイクタイヤということが多い)があるが,後者は粉塵の発生が問題になっている。
[タイヤの特殊現象]
 自動車の安全運転に関係するタイヤの特殊な現象にスタンディングウェーブstanding waveとハイドロプレーニングhydroplaningと呼ばれる現象がある。前者は高速で走行するとき,タイヤ接地部の後方が波状に変形する現象で,タイヤの空気圧が低く,過積載によりタイヤ荷重が異常に大きい状態で高速走行すると発生することがある。…

※「ハイドロプレーニング」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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