ハセイルカ(英語表記)Delphinus capensis; long-beaked common dolphin

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハセイルカ」の意味・わかりやすい解説

ハセイルカ
Delphinus capensis; long-beaked common dolphin

クジラ目ハクジラ亜目マイルカ科マイルカ属。体長は雄約 2.6m,雌約 2.3mに達する。最大体重は約 135kg。出生体長は 80~85cm。体色はマイルカと比べ淡色で,その濃淡はきわめて変異に富む。背部は黒青色,腹部は白色。体側前方にねずみ色の斑があり,後方に淡灰色の斑がある。眼から1条の黒青色の線が肛門まで伸びる。嘴 (くちばし) の上面ならびに下面の前半分が黒青色である。胸鰭 (むなびれ) つけ根から下顎にかけて同色の帯があるほか,眼から前頭部と嘴との境にかけて同色の帯がある。背鰭の中央に三角形状の淡灰色の斑紋があるがきわめて不明瞭である。体型は流線形。噴気孔は1個で,頭部正中線上にある。嘴はきわめて細長く,突出しており,前頭部の傾斜はなだらかであるが,嘴と前頭部との境ははっきりしている。背鰭は体の中央に位置し,比較的大きく三角形状で,先端はとがり後縁はやや鎌状である。尾柄部にある上下面のキール (稜状の隆起) はあまり目立たない。上下顎骨にとがった小さい円錐歯が左右 55~61対並ぶ。 100頭以下の群れで行動し,小型の群集性魚類やイカ類を捕食する。分布はマイルカと重なり,全海洋の温帯から熱帯の大洋域に広く出現するが,やや分布は限定される。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハセイルカ」の意味・わかりやすい解説

ハセイルカ
はせいるか

マイルカ

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のハセイルカの言及

【マイルカ(真海豚)】より

…ハクジラ亜目マイルカ科の哺乳類(イラスト)。ハセイルカとも呼ばれる。世界中の温帯~熱帯に分布するくちばしの長い美しい外洋性のイルカ。…

※「ハセイルカ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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