ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハダン」の意味・わかりやすい解説
ハダン(哈丹)
ハダン
Khadan
[没]1262
モンゴル帝国の武将。オゴデイの庶長子。 1236年以来のバトゥ (抜都)のヨーロッパ遠征に従い,モルドバを経てハンガリーを攻撃,国王ベラ4世を追撃した。オゴデイの一族であるが,ハン位をめぐるオゴデイ,トルイ (拖雷)両統の争いの結果,トルイ統のモンケが即位するとそれに忠誠を誓い,のちフビライ・ハン擁立に尽し,中統2 (1261) 年フビライに従い,アリク・ブガ (阿里不哥)をシムルトゥ・ノールに撃破した。
ハダン(哈丹)[元初]
ハダン[げんしょ]
Khadan
[没]至元29(1292)
中国,元初の反臣。太祖チンギス・ハンの弟ハチウン (合赤温) の孫。彼は王位を継がなかった。至元 24 (1287) 年ナヤン (乃顔)が反乱を起すとそれに応じ,ナヤンが敗れ捕殺されたのちも各地に抗戦した。同 27年には高麗に進入し,荒し回ったが,モンゴル軍と高麗人に追撃され,勇戦及ばず,同 29年入水自殺した。
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