ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハダーナ」の意味・わかりやすい解説 ハダーナhadāna イスラム法上,母親は子供が幼少の間は自分の膝下で育てる権利と義務をもっていること。それを可能にする義務は父親にある。通常,ハダーナは,子が未成年 (普通 15歳まで) の間,監護もしくは教育を目的とする後見と解され,子が両親のもとにあるかぎり,当然親権と一致するが,婚姻解消後は母が行い,母のないときは,母方の親族が行い,父にはその権利は認められない (これに対し未成年の子の財産の後見は,父が行い,そのないときは父方の親族が行う) 。ハダーナが母系親族に引継がれる点で,母系制の名残りともみられる。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by