改訂新版 世界大百科事典 「ハッカチョウ」の意味・わかりやすい解説
ハッカチョウ (八哥鳥)
crested myna
Acridotheres cristatellus
スズメ目ムクドリ科の鳥。一名をハッカ(八哥)またはハハチョウ(八八鳥)ともいい,台湾ではカーレンと呼ばれている。全長約26cm。全身ややくすんだ黒色で,翼によく目だつ白帯があり,尾や下尾筒の先端も少し白い。額に短い冠羽が生えている。くちばしと足は黄色い。中国南部,台湾,海南島,ベトナムなどに分布し,フィリピンやカナダのバンクーバーに移入されている。低地の畑や人家近くにすみ,ふつうは10~30羽の小群で生活している。水牛の背中にとまっているのを見かけることも少なくない。食物は主として昆虫類を餌としているが,種子や穀物もかなり食べている。樹洞,寺院,橋桁の隙間などに営巣する。1腹の卵は4~5個。この鳥は飼いやすく,人語をまねるので,中国では飼鳥として広く親しまれている。また花鳥画に描かれることが非常に多い。日本にも飼鳥が古くから輸入された。
執筆者:森岡 弘之
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報