ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説 ハット・チャイ・ルゥオンHat Cai Ruong ベトナムの歌舞劇。古典歌劇ハット・ボイの南部に伝えられた形式を取入れて,1916年頃に創作された。音楽には南部の民謡やチャム族の歌の影響がみられる。楽師や歌手がメコン川やドンナイ川のデルタ地域を往来して広まり,村々で一座が形成された。歌手が身体を動かしながら歌い出すと,2人あるいは3人が加わって踊り出し,寸劇を演じる。内容は,ハット・ボイを受継いだベトナムの歴史や伝説のほか,市井の風俗,ヨーロッパの戯曲の翻案など,さまざまなジャンルに及ぶ。映画産業に押されながらも,今日でもベトナムで最も広範な地域にわたって上演されている。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by