ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハドリアヌス3世」の意味・わかりやすい解説
ハドリアヌス3世
ハドリアヌスさんせい
Hadrianus III
[没]885.9頃. モデナ近郊
ローマ出身とされる第109代教皇(在位 884~885)。聖人。短い在位期間は混乱の多い時代と重なった。フランク帝国(→神聖ローマ帝国,フランク王国)の皇帝カルル3世(在位 881~887)に招集され,ウォルムスで行なわれる会議に向かう途中で死去した。ウォルムスの会議では,フランク帝国の後継者選びとサラセン人(→サラセン)の台頭問題について討議する予定であった。死因には疑問が呈され,暗殺されたとする説も有力である。業績はあまり残されていないが,飢饉に際してローマ市民に救済の手を差し伸べたことで知られる。1891年6月に列聖(→列福)された。祝日は 7月8日。
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