ハヌノオ族(読み)ハヌノオぞく(その他表記)Hanunoo

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハヌノオ族」の意味・わかりやすい解説

ハヌノオ族
ハヌノオぞく
Hanunoo

フィリピンのミンドロ島南部マンサライ,ブララカオおよびサンホセの山岳森林地帯に居住するプロト・マレー系の民族。人口は1万弱と推定される。移動焼畑農耕による陸稲,根茎類,バナナ,パパイヤなどの栽培を主たる生業とする。男女とも研歯習俗をもち,歯を黒く染めている。社会組織は双系で単婚家族が最小の社会単位である。神話上は天上神信仰が認められるが,儀礼上はアニミズムおよび死者崇拝が重要である。特にパンルダンと呼ばれる死者儀礼では,埋葬1年後に墓から骨を取出し,骨小屋を造り,共食,舞踊を行なって死霊作物豊穣を祈願する。また邪術を極端に恐れる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のハヌノオ族の言及

【色】より

…目立った色は白,漠とした色あるいは鈍い色は青というわけである(佐竹昭広説)。また,フィリピンのミンドロ島に住むハヌノオ族では,白,黒,赤,が基本的な色彩語彙であり,日本語と同様に2対の概念によって構成されているが,その概念は異なっている。すなわち,黒:白=暗:明,赤:緑=乾:湿である(コンクリンH.C.Conklin)。…

【名】より

…また,色自体も連続的に変化するものであり,さらに色は,単に明度や色相,彩度によってだけできまるものではなく,さまざまな色概念が存在しうる。たとえば,フィリピンのミンドロ島南部に住むハヌノオ族では〈乾〉と〈湿〉の対立が色概念の中にとりこまれている。しかし,色を知覚する人間の目の生理学的制約も無視できない。…

※「ハヌノオ族」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

2022年度から実施されている高校の現行学習指導要領で必修となった科目。実社会や実生活で必要となる国語力の育成を狙いとし、「話す・聞く」「書く」「読む」の3領域で思考力や表現力を育てる。教科書作りの...

現代の国語の用語解説を読む