サン・ホセ(読み)さんほせ(英語表記)San José

日本大百科全書(ニッポニカ) 「サン・ホセ」の意味・わかりやすい解説

サン・ホセ
さんほせ
San José

中央アメリカ、コスタリカ首都サン・ホセ県(人口134万5750。2000)の県都。同国中央部、標高1150メートルの高原上に位置する。人口30万9672(2000)。年平均気温は22.6℃で気候は温暖である。1737年に建設され、1823年にそれまでのカルタゴから遷都され首都となった。1960年代初めには、東方にあるイラス火山の爆発で大きな被害を受けた。コスタリカの政治、経済、文化の中心地で、コーヒーや肉牛集散地でもある。工業は食品加工業が中心だが、外資系企業の誘致によって化学工業なども発展している。同国の二大主要港である太平洋岸のプンタレナス、大西洋岸のリモン鉄道で結ばれていたが1991年の地震被害により鉄道は運休している。パン・アメリカン・ハイウェーが縦貫する。郊外にあるエル・ココ国際空港は中央アメリカ5か国でぬきんでた乗降客を数え、中央アメリカの交通の結節点となっている。1843年創設されたコスタリカ大学やパリオペラ座に似せてつくられた国立劇場がある。

[栗原尚子]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サン・ホセ」の意味・わかりやすい解説

サンホセ
San José

コスタリカの首都。また同名州の州都。同国中部,中央高原にあり,標高約 1100m。年平均気温 22.6℃で,年較差は小さい。年降水量は約 1800mmで,おもに5~11月に降る。 1736年スペイン人によって建設され,初めビヤヌエバと呼ばれた。植民地時代はタバコ栽培の中心地として徐々に発展。 1823年南東のカルタゴに代わってコスタリカの首都となり,1840年代にはコーヒー生産の中心地となったが,コーヒーは 19世紀を通じてコスタリカの主要収入源であった。 20世紀に入ってコスタリカの政治,社会,経済の中心として急速に発展,人口が急増し,市域も拡大した。 1950年以降工業化も進展。また教育,文化の中心地でもあり,コスタリカ大学,19世紀の大聖堂,国立劇場,博物館などがある。伝統的なスペイン風建築物と近代的な建物が混在した美しい町で,観光客も多い。交通の要地で,パンアメリカン・ハイウェーが通るとともに,カリブ海沿岸のリモンから延びる北部鉄道と,太平洋岸のプンタレナスから延びる南部鉄道の接続点。近郊に国際空港もある。人口 35万6174(2009)。

サンホセ
San José

正式名称はサンホセデマヨ San José de Mayo。ウルグアイ南部,サンホセ県の県都。首都モンテビデオの北西約 80kmにあり,サンホセ川にのぞむ。周辺の農牧地帯の商工業中心地で,食肉,乳製品皮革製品,縫製,家具,自動車部品などの工場がある。 1783年スペイン人によって建設された古い町で,1825年には,当時ウルグアイを支配していたブラジルに反旗をひるがえしたウルグアイ革命政府の臨時首都になった。時計塔のそびえるバロック様式の大聖堂があることで知られる。首都と鉄道,道路で結ばれる。人口3万 1732 (1985) 。

サンホセ
San José

正式名称はプエルトデサンホセ Puerto de San José。グアテマラ南部,太平洋に面する港湾都市。同国太平洋側の主要港の一つで,おもにコーヒー,綿花,砂糖,木材,蜂蜜などを積出す。停泊地は沖合い約 2kmにあり,荷役や客扱いははしけによって行われる。海水浴,魚釣り,狩猟などが楽しめるため,海浜保養地ともなっている。首都グアテマラ市の南南西約 80kmにあり,鉄道,道路で連絡。人口1万 5359 (1990推計) 。

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