ハムダーニー(その他表記)al-Hamdānī

改訂新版 世界大百科事典 「ハムダーニー」の意味・わかりやすい解説

ハムダーニー
al-Hamdānī
生没年:893ころ-945

南アラブの代表的学者詩人イエメンサヌアに生まれ育つ。多くの学問分野における優れた著作活動のゆえに〈イエメンの舌〉と称された。晩年政争に巻き込まれサヌアで獄死した。代表的著作に地理書アラビア半島の特徴》および《王冠Iklīl》がある。とくに後者はアラブ史上北アラブに比し文献の少ない南アラブ部族の歴史,系図,地誌,文学を知るうえで欠くことのできない百科全書的著作で,もと全10巻に及ぶ大著であったが,うち4巻のみ残存し,このうちイエメンの城砦を記した第8巻が著名である。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハムダーニー」の意味・わかりやすい解説

ハムダーニー
al-Ḥamdānī, Abū Muḥammad al-Ḥasan ibn Aḥmad

[生]893頃.サナー
[没]945. サナー
南アラビアの地理学者,歴史学者。イエメンの歴史,地理,系譜の研究興味を示し,「イエメンの舌」と呼ばれた。アラビア半島をくまなく旅行して,『アラビア半島誌』 Sifa Jazīra al-`Arabを著わした。

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世界大百科事典(旧版)内のハムダーニーの言及

【アフリカ】より

…シャリ・ナイル諸語は東スーダン諸語Eastern Sudanicと中央スーダン諸語Central Sudanicに代表される4語群に分かれるが,そのうちの東スーダン諸語にはヌビア語Nubianなどのほか,ナイロート語群Niloticに入るマサイ語Masai,テソ語Teso,スク語Suku,ディンカ語Dinkaなど名前が知られた言語も多い。
[アフロ・アジア語族]
 従来のハム・セム語族とほぼ一致し,さらにチャド,ナイジェリアなどの一部の言語を含む。アフリカ大陸と西アジアを結ぶ一大語族である。…

※「ハムダーニー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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