ハラクロム(その他表記)hallachrome

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハラクロム」の意味・わかりやすい解説

ハラクロム
hallachrome

環形動物アカムシ Halla parthenopeia皮膚から抽出できるインドールカルボン酸系の色素で,普通は赤色であるが還元すれば無色となる。生体内では,チロシンからメラニンができる途中の中間物質となっている。アカムシの体に傷がつくと,黒色液がしみ出るのはこの色素の酸化物である。生体外実験では,赤血球呼吸を促進させる。またこの色素はキサンチン酸化酵素やコハク酸脱水素酵素水素受容体として働くことから,生体内では細胞内の呼吸になんらかの役割を果しているものと考えられている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

ドクターイエロー

《〈和〉doctor+yellow》新幹線の区間を走行しながら線路状態などを点検する車両。監視カメラやレーザー式センサーを備え、時速250キロ以上で走行することができる。名称は、車体が黄色(イエロー)...

ドクターイエローの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android