ハラビロカマキリ(読み)はらびろかまきり

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハラビロカマキリ」の意味・わかりやすい解説

ハラビロカマキリ
はらびろかまきり / 腹広螳螂
[学] Hierodula patellifera

昆虫カマキリ目カマキリ科に属する昆虫。ずんぐりとした、淡緑色または茶褐色の中形のカマキリ。体長は雄で50ミリメートル内外、雌で70ミリメートル内外。頭部はやや厚みがあり、顔面の前額域は幅と高さがほぼ等長。前胸背板は幅広く、また相対的に短く、頑丈で、ややつやがある。この背板の前部側縁には小歯が並ぶ。前脚の各節は全体に短めで、腿節(たいせつ)は幅広く、頑丈、また基節の内前縁に3、4個の黄色円盤状突起がある。前翅(ぜんし)は幅広く、前縁域は緑色、ほかの部分は透明であるが、翅脈に沿って薄い緑色、中央付近に白斑(はくはん)がある。後翅も前縁に沿って薄緑色、ほかの大部分は透明。成虫は夏から秋にかけてみられ、秋期、中形で、丸みがあり、表面は堅くつやのある卵鞘(らんしょう)を木の枝などに産み付ける。本州以南、熱帯アジアなどに分布している。

[山崎柄根]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

小学館の図鑑NEO[新版]昆虫 「ハラビロカマキリ」の解説

ハラビロカマキリ
学名:Hierodula patellifera

種名 / ハラビロカマキリ
解説 / 低木の上に多く見られます。体ははばが広く、緑色またはかっ色です。前ばね左右に白い点があります。
目名科名 / カマキリ目|カマキリ科
体の大きさ / 45~70mm
分布 / 本州、四国九州、南西諸島
成虫出現期 / 8~10月

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世界大百科事典(旧版)内のハラビロカマキリの言及

【カマキリ(蟷螂∥螳螂)】より

…ふつうによく見られる種類は,オオカマキリTenodera aridifolia(イラスト)やカマキリT.angustipennisで,前者はやや大型で体長7~9.5cm,卵囊は球状,後者は体長7~8cm,後翅が大部分透明であることと卵囊が細長いことにより前者と区別される。ハラビロカマキリHierodula patellifera(イラスト)は体長5~7cm,前胸が太めで,つやがある。コカマキリStatilia maculataは体長4.8~6.5cm,黒褐色のカマキリであり,ヒナカマキリAmantis nawaiは好地性で体長2cm内外の小型の種類である。…

※「ハラビロカマキリ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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