日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハリーム・バラカート」の意味・わかりやすい解説
ハリーム・バラカート
はりーむばらかーと
Halīm Barakāt
(1936― )
パレスチナの小説家、社会学者。シリアのアル・カフルーンに生まれる。ベイルートのアメリカン大学に学んだのち渡米し、ミシガン大学で社会心理学を修める。ジョージタウン大学のアラブ研究センターに勤め、社会学者として、また小説家としてパレスチナ問題に取り組んでいる。20歳のときに処女作を発表後、短編集『沈黙と雨』(1956)を刊行。代表作としてはイスラエル建国の裏面史的小説『6日間』(1961)がある。さらに、1967年にパレスチナ人をみまった第三次中東戦争の惨劇をテーマにした『海に帰る鳥』(1967)を発表した。
[奴田原睦明]
『奴田原睦明訳『6日間』(1980・第三書館)』▽『高井清仁・関根謙司訳『現代アラブ小説全集6 海に帰る鳥』(1980/新装版・1989・河出書房新社)』