改訂新版 世界大百科事典 「ハリールマトラーン」の意味・わかりやすい解説 ハリール・マトラーンKhalīl Maṭrān生没年:1872-1949 アラブの詩人。〈双国の詩人〉という尊称をもつが,それはレバノンで生まれ,人生の大半をカイロで暮らしそこで没したからである。オスマン・トルコの圧政を逃れて渡仏,その後エジプトに渡りそこにとどまった。彼の詩にはフランス文化の影響がみられ,シャウキーやハーフィズ・イブラーヒームの詩に比較して,詩の形式からより解放されていて,物語詩の試みも行った。《オセロー》を翻訳し,ジョルジュ・アブヤド劇団によって上演された。《ベニスの商人》や《マクベス》《ハムレット》など,シェークスピアの戯曲を多く翻訳紹介した。執筆者:奴田原 睦明 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by