イソブタン

化学辞典 第2版 「イソブタン」の解説

イソブタン
イソブタン
isobutane

C4H10(58.12).CH3CH(CH3)CH3.トリメチルメタン(trimethylmethane)ともいう.脂肪族飽和炭化水素(アルカン)の一つ.分枝状パラフィンのもっとも簡単なもの.湿性天然ガス,石油系炭化水素の分解ガス中に含まれる.上記ガスより分離されるほかに,n-ブタンの異性化によっても生成される.構造は,プロパンの中心炭素と結合している水素の一つがメチル基と置換した形をとる.無色,特異臭をもつ気体.融点-159.60 ℃,沸点-11.73 ℃.容易に液化する.化学的には安定であるが,引火,爆発性がある.爆発範囲1.8~8.4体積%.液化石油ガスの成分として燃料に用いられるほか,オレフィンによりアルキル化されて,C6~C8 のイソパラフィン類(アルキレートガソリン)の製造原料,また脱水素によるイソブテン製造の原料に用いられる.[CAS 75-28-5]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イソブタン」の意味・わかりやすい解説

イソブタン
isobutane

化学式 (CH3)2CHCH3 。石油分解ガスに含まれていて弱い石油様の臭いをもつ無色の気体。沸点-11.7℃。容易に液化するので,液化ガスとして家庭用,工業用燃料に用いられる。引火性および爆発性がある。イソパラフィン類の合成原料で,脱水素により合成樹脂原料のイソブチレンの製造原料ともなる。

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